西武山川1発含む3安打 交流戦で戻った積極打撃

広島対西武 5回表西武2死、左越えにソロ本塁打を放つ山川(撮影・上田博志)

<日本生命セ・パ交流戦:広島3-7西武>◇29日◇三次

 “山賊”の首領(どん)が復活だ。西武山川穂高内野手(26)が3安打2打点と活躍し、広島との首位同士の対戦を制した。1回に先制打を放った山川は、2点を追う4回に右前打で逆転の起点に。5回には10日ぶりの本塁打となる14号ソロと暴れ、チームの連敗は3で止まった。連敗中は無安打だった4番が打つと山賊打線はつながる。

 持ち味が出た。初回2死二塁、山川は広島中村祐の初球カーブを捉えた。強烈な打球が三塁西川のグラブをかすめ、左前へと抜けた。「最近、打てていなかったので、積極的に打とうと。ラッキーでした」。先制打を、5回の1発以上に喜んだのが山川らしかった。「(本塁打は)打てて良かったですけど、その前にタイムリーを打てた。そっちあってこそのホームランです」と力説した。

 無安打の間に失いかけていた積極性。思い出すきっかけは、交流戦そのものだった。普段は対戦がない相手に、どう向かうか。答えはシンプルだった。「データがないんで、自分の打撃で勝負するしかない。どう攻めてくるか、どういう曲がりをするか分からない。良い意味で、割り切ってやりました」と胸を張った。

 もっとも、積極性だけが答えではない。5回2死走者なしでは、初球ストライクを見逃した。追い込まれてからはファウルで粘りに粘った。12球目、「甘い球を待って仕留め切れた」と、左越えにたたきこんだ。

 2打席の違いは、得点圏に走者がいるか、いないか。こう考えている。

 「得点圏なら、どの球も初球から前に飛ばす。向こうは歩かせて、ためたくない。ある程度、ここら辺にくると分かる。得点圏にいない時は、逆に絞る。先頭や2死走者なしなら、僕を歩かせてもいいはず。足がないので。球種を絞って、ホームラン狙いです」

 己を分かっているから、状況に応じて積極性を使い分けている。

 3連敗中、辻監督からは「練習だけでなく、体調を整えるのも大事」と言われた。疲れが見えたからだ。だが、山川は言う。「僕は、まだ1年出ていない。調整法が分からない。良くも、悪くも、今年が終わってから。今は日々全力でやることしかないんです」。中国山地をあおぐ三次(みよし)の地で、山賊の首領が大暴れ。セ1位の赤ヘルを倒した。4番として、チームの命運を背負い、戦い抜く。【古川真弥】