<日本生命セ・パ交流戦:巨人9-8日本ハム>◇30日◇東京ドーム
巨人が昨年の悪夢を思い起こさせる負の連鎖から抜け出した。5連敗で臨んだ一戦で打線が2回に着火。4連打やマギーの5号3ランで4月25日中日戦5回に並ぶ今季最多の1イニング8得点を挙げた。先発吉川光、2番手宮国、守護神カミネロの乱調で思わぬ接戦を強いられたが、大城の球団ルーキー捕手としては01年阿部以来となる1試合3打点の打棒で振り切った。昨年とまったく同じ4連敗、借金1で交流戦に突入し、前日の初戦に敗北。昨年の球団ワーストの13連敗もよぎる中、早い段階で断ち切った。
怖いものなしの力が悪夢を切り裂いた。先制直後の2回無死二、三塁。大城はファーストストライクを迷わずに振った。打球は右中間を真っ二つに割る2点適時二塁打。「連敗、連敗というプレッシャーは感じなかった。守備の方がふがいなかったので打撃の方で取り返してやろうと思った」と、4連打から得点を重ね、今季最多タイの1イニング8得点につなげる。6点を返され、2点差と迫られた5回2死一塁では左翼へ適時二塁打。コンディション不良の小林に代わり、マスクをかぶるルーキーが追いすがる相手を振り切った。
じっとりとまとわりつく偶然の一致があった。4連敗し、借金1で交流戦に突入。昨季球団最悪の13連敗を喫した時と全く同じ状態だった。前日29日も3本塁打を打ちながら敗れ、連敗は5。さらに、先発の吉川光は昨年も交流戦開幕2戦目に投げていた。カード開始前に主将坂本勇は「去年は去年。連敗から学ぶことはない」と話していたが、悲劇の歴史を連想させる要素がふんだんにあった。
だが、今年は違った。打線の組み替えが力強い息吹をもたらした。前日29日に「2番二塁」吉川尚を8番に変更。三振数の多い若手から、得点圏打率5割超の亀井を2番に置いて打線をつないだ。4月13日、坂本勇を1番に起用した2試合目で3安打を放ち6連敗をストップ。5月上旬には不振のマギーを阿部と併用して復調させ、26日には不動の中軸ゲレーロも7番に降格。前日29日に復活のソロを放った。次々と打つ手が結果となり、1試合平均得点は4・79で12球団2位の攻撃力となった。
最後は守護神カミネロの乱調で1点差まで迫られたが何とか逃げ切り。高橋監督は「最終的に勝ったということがすべて。流れがどうなるのかというところの次の1点が、ああいう形で入ったのは、大城のバッティングが良かった」とほめた。圧勝劇からヒヤヒヤの展開でも勝ちきる強さ。連敗を知らない若い力が、負の連鎖を断ち切った。【島根純】