<日本生命セ・パ交流戦:巨人2-4日本ハム>◇5月31日◇東京ドーム
進むべき道が、確かに見えた。巨人ドラフト1位の鍬原が、プロ初登板初先発を5回2安打3失点。援護なく初黒星を喫したが「自分の球がどれだけ通用するか分からなかったので、打者と勝負することを心がけて投げられた」と、現状把握が最大の収穫だった。
持ち味を出した。2回、先頭を歩かせた後が真骨頂だった。右打者の鶴岡はスプリット、左打者の杉谷、中島はシンカーで空を切った。「左打者にはシンカーを有効に使えた」。生命線とするシンカーと4月から本格的に活用し始めたスプリットを使い分けた。7三振のうち6三振が落ちる球。スタイルが通用した。
粗削りな部分もさらけ出した。1点リードの3回。1死から西川に左翼線二塁打で初安打を許すと、連続四死球で満塁。中田の中犠飛で同点とされ、レアードには甘く入ったスライダーを勝ち越し2点適時打された。「気持ちのコントロールができなかった。勝ち越された後に平常心になったが、遅かった」。指にかかった直球は一級品。だが「いい球と悪い球がはっきりしてしまった」と高めの抜け球や引っかかる球も目立ち、6四死球と乱れた。
右肘痛で出遅れ、キャンプは3軍スタート。苦しい時期を乗り越え、観戦していた母佐代子さんへ晴れ姿を届けた。女手一つで支えてくれた母が涙を流したと聞き「東京ドームで投げている姿を見せられてよかった。いつかウイニングボールを渡したい」。次週、楽天戦での先発が有力。手に入れた自信と反省をかみしめ、新たな1歩を踏み出す。【桑原幹久】