交流戦0勝の楽天救った!7度目正直で古川プロ1勝

巨人対楽天 プロ初勝利し、ウイニングボールを手に梨田監督(左)と記念撮影する古川(撮影・狩俣裕三)

<日本生命セ・パ交流戦:巨人1-4楽天>◇5日◇東京ドーム

 レスキュー古川が、ついに勝った。楽天5年目右腕の古川侑利投手(22)が「日本生命セ・パ交流戦」巨人1回戦(東京ドーム)でプロ通算7度目の先発に臨み、巨人打線を5回6安打1失点に抑えて、プロ初勝利を挙げた。持ち味の直球を大胆に投げ込み、自己最多の8三振を奪った。佐賀で過ごした中学2年時に、人命救助で表彰された経験を持つ一本気な九州男児が、チームの連敗を5で止めた。

 古川は、ヒーローインタビューで何度もまばたきした。「本当に心の底からうれしかった」。勝利球について問われると「奥さんに渡して、実家に送ります」。あふれ出そうな涙をこらえた。球場を引き揚げる際にも「涙出そうです」と感極まった。昨年12月に結婚したプロ5年目。15度目の登板でつかんだプロ初勝利をかみしめた。

 何度もチャンスを逃してきた。のどから手が出るほど欲しかった1勝。だから「真っ向勝負しかないと思っていた」と腹をくくって試合に入った。1回1死一、三塁で巨人の新4番岡本。初回から試練は訪れたが、動じなかった。スライダー、フォークで揺さぶり、最後は外角ギリギリのコースに143キロ直球。次打者の亀井は全4球直球。最後は146キロ直球を高めに狙い、2者連続三振に仕留めた。

 温めたエンジンをさらに加速させた。2点リードの5回。勝利投手の権利がかかるイニング。2死二塁から岡本に適時打を許し、1点差に追い上げられた。ピンチは続く。なお2死一、三塁でマギーを迎えた。初球外角148キロ直球が、わずかに外れてボール。それでも、攻めの姿勢を続けた。そこから2球直球を続けた。3球で追い込むと、最後は外角低め149キロ直球で空振り三振。全球直球勝負で挑み、ベンチでチームの勝利を見届けた。

 佐賀・有田工2年の終わりに「150キロ出せる投手になりたい」と目標を立てた。当時の植松幸嗣監督と相談し、本格的な筋トレに着手。下半身強化に取り組み、ウエートリフティングは130キロを上げるまでになった。130キロ中盤だった球速は、3カ月後に145キロを計測。その3カ月後となる3年夏の甲子園では、148キロをマーク。13年ドラフト4位で楽天入団を勝ち取った。

 目標だった150キロを計測する一方で、同期入団の松井、後輩の安楽、藤平の活躍に、悔しさを募らす結果を出す日々。「長かったです」の言葉に、ここまでの思いが詰まっていた。【栗田尚樹】