阪神福留さすがベテラン走攻守で若手に手本のプレー

4回裏阪神1死、右中間を破り二塁に滑り込む福留(撮影・清水貴仁)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-2ロッテ>◇9日◇甲子園

 打のヒーローは、41歳のキャプテンだった。初回。阪神福留はカウント2-0からロッテ涌井の直球を3度ファウルにした。6球目は高めに浮いたフォーク。失投を見逃さなかった。打球は右中間席までアーチを描く。先制の4号ソロ。「2アウトから、まずは塁に出ようとコンパクトに振りにいったが、風に助けられた」。この日、左打者を悩ませる浜風は吹かなかった。ベテランの集中力が生んだ本塁打だ。

 今季は休養を取るため、開幕から5試合でスタメンを外れた。6連戦に1度の頻度だが、年齢を考慮すれば、2度休養日を設けてもおかしくない。実際、金本監督は「週2回休んでもいいぐらい」と昨シーズンから話していた。そんな配慮が取り越し苦労に思えるほどの健在ぶりを見せている。この日は前夜の雨が外野の芝にも残っていた。さらに上空はいつもと違う風が吹いていた。福留は体勢を崩すことなく、普段通りの堅い守りを披露。守備固めでセンターに就いた江越には打球の動きをジェスチャーでアドバイス。4回にはセンター右に打球を運び、相手の守備を見ながら、一気に二塁を陥れた。走攻守で手本となるプレーだった。

 6回には糸原が二塁打で出塁し、植田がバントで送った。このお膳立てに燃えた。センターに飛球を打ち上げ、犠飛でリードを広げる。「若い2人が作ってくれたチャンスだったので、最低限の仕事ができてよかった」。2安打2打点の活躍で、延長12回の激闘を最後まで戦い抜いた。金本監督も福留の働きに最敬礼だ。「最初の2点は孝介のホームランと犠牲フライ。ピンチを球児がしのいで、最後、能見が2イニングいって。最近、ベテランの活躍が目立ってますけど、本当に頼もしい。若手がもっとしっかりしないと」。5月に打率を下げたが、再び上昇気配が漂う。6月に入り、6試合で20打数6安打、打率は3割。うち4本が長打だ。気温の上昇とともに、ベテランが心地よい汗をかいている。【田口真一郎】