阪神金本監督「どうにかしないと」続く貧打に嘆き節

阪神対ロッテ 6回裏阪神2死一塁、ボルシンガー(右)が投球する前に一塁を飛び出し、一、二塁間に挟まれタッチアウトとなる中谷(撮影・清水貴仁)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-3ロッテ>◇10日◇甲子園

 阪神は10日の「日本生命セ・パ交流戦」ロッテ戦(甲子園)で悔しい1点差負けを喫した。前日9日の延長サヨナラ勝ちをつなげることはできず、勝率5割復帰に失敗。リーグ3位に後退した。踏ん張る投手陣に応えられない打線に、金本知憲監督(50)の嘆き節が止まらなかった。

 金本監督の「嘆き節」が止まらなかった。初顔合わせのロッテ先発ボルシンガーから、幸先よく先制の2点を奪ったが、2回以降、雲行きが怪しくなる。落差があるナックルカーブの軌道に翻弄(ほんろう)され、いたずらに凡打の山を築いた。結局「スミ2」で敗れ、指揮官は「ホント、点を取れないな。投手が1点以下に抑えないと勝てない状況がずっと続いているな。これ、もう…」と首をかしげた。

 前日9日は延長にもつれ込んだが、敵失による12回サヨナラ勝ち。最近は苦戦しながら、何とか勝ちを拾うのが現状だ。最近4戦の得点は2、2、3、2…。チーム打率2割3分1厘、27本塁打、174得点はいずれも長くリーグワーストだ。「(個々が状態を)上げていくしかないでしょう。どうしようも、打てない。どうしろという…。各自が考えないとあかんし、コーチが指示を出すとか。もういいかげん、投手が頑張っているんだから」と指摘した。

 交流戦に入り初物投手に5連敗、そのうち外国人が2人だ。5日オリックス戦(甲子園)は左腕アルバースに7回途中を2得点止まりで白星を献上。この日は球を動かす助っ人右腕に敗れた。ブレーキの利いたナックルカーブやスライダーについて、指揮官は「それぞれが工夫せんとね。(打席の)前に出るとか」と振り返ったが、7回5安打7三振。またも貧打を繰り返した。土壇場の9回には1死二塁の同点機を築いたが、押し戻す力は残っていなかった。

 この日は9連戦の2試合目。3連勝で勝率5割に戻す思惑は外れた。3位に転落し、最下位の中日も1ゲーム差にいる。6月に入って連日のように先発、救援陣が奮闘し、必死に耐えるが、主軸のロサリオを欠く打線は振るわない。新外国人候補のナバーロを獲得しても1軍合流は早くて6月末になる見通しだ。金本監督は「(投手陣が)踏ん張っているわけだからね、ホント。何とか、どうにかしないと、ホンマに」と危機感をあらわ。一進一退の戦いは続くが、打線が上向かなければ、上位浮上の兆しは見えない。【酒井俊作】