ソフトバンク東浜、右肩痛離脱中…心境語る

福岡・筑後市のファーム施設でリハビリを行うソフトバンク東浜

 悲願の沖縄凱旋(がいせん)登板はかなわなかった。右肩痛のため戦列を離れているソフトバンク東浜巨投手(27)が、現在、福岡・筑後市のファーム施設で懸命にリハビリに取り組んでいる。早くても1軍復帰は球宴後の後半戦からが濃厚。26日からの沖縄・那覇での日本ハム2連戦での登板は夢と消えた。昨季最多勝(16勝)右腕の現在に迫った。

 真っ青な空に東浜が投げた白球が大きな弧を描いた。筑後第2球場の芝生の上で、50メートルの距離を気持ちよく投げていた。

 「今後は70メートルとキャッチボールの距離を伸ばして、早ければ今週にはブルペンで立ち投げができると思います」。東浜の表情にも明るさが戻ってきた。

 5月25日楽天戦で右肩に違和感があり3回で降板。翌26日に「右肩関節機能不全」で出場選手登録を抹消され、3週間が過ぎた。「炎症があったので2週間ノースロー。シーズン中にこんなに投げなかったことはないですけど、肩の故障は初めてですから」。

 26日からは日本ハム主催で沖縄での2連戦が開催される。ビジターながら球団初の沖縄での試合。沖縄尚学で08年春に甲子園優勝投手となった地元のヒーローの凱旋(がいせん)登板は、本人が今季一番楽しみにしていた。「自分のふがいなさというか…。楽しみにしていたみなさんには申し訳ないです。それ以上にチームに迷惑をかけてしまった」と、無念の表情を浮かべた。

 今季は例年より球速は出ていたが、投げるバランスが昨年までとは違ったのか高めに浮くケースが多く、8試合で1勝5敗、防御率4・88と不本意な数字が並んだ。チームはサファテ、岩崎、和田を故障で欠き、開幕投手の千賀も故障がち。「(調子が悪くても)長い回を投げるのが僕にできること」と責任感が強い右腕は2試合完投負けを記録するなど支えてきた。だが、5月18日ロッテ戦で8回完投した時から右肩の違和感が強くなっていた。

 「あのまま投げ続けていたら、肩を本当に故障していたかもしれない。リハビリは予定よりも早いくらい」と順調な回復をみせている。「最多勝は昨年の話。投げられるからとすぐに1軍にいけるとは思っていない」。特別扱いはいらない。2軍で投げ、結果を残して1軍へ呼ばれるつもりだ。早くても復帰は球宴後となりそうだが、姿を見せられなかった沖縄のファンのため、連覇を信じる鷹党のために、頼れる東浜になって戻ってくる。【石橋隆雄】