阪神金本監督、広島7差「挽回できる」鍵はロサリオ

前半戦の日程が終了し総括を行った金本監督(撮影・加藤哉)

 緒方カープよ、14番勝負だ!! 阪神金本知憲監督(50)が11日、前半戦を総括し、大逆転優勝に執念を見せた。借金3ながら3位で2年連続Aクラスターンが決定。首位広島に7ゲーム差をつけられたが、直接対決が14試合あり、「挽回できる。直接でやっつけていく!」と意気込んだ。課題の得点力アップへ、キーマンに2軍降格中のウィリン・ロサリオ内野手(29)を指名。“倍返し指令”で奮起を促した。

 借金3を背負っても、金本監督は悲観しない。節目の前半戦を終え、むしろ、闘争心はメラメラと燃えさかる一方だ。9分に及ぶ総括会見の締めくくりでキッパリと言い切る。「広島と7ゲーム差がついてますけど、まだ十分、挽回できるモノは持っていると思っているので、まったく。最後は自分たちが勝つんだ、自分たちが優勝する気持ちで僕も選手たちも思っている」と執念をたぎらせた。

 9日からの広島3連戦(マツダスタジアム)が豪雨災害の影響で中止になり、想定外の形で前半戦を終えた。勝率5割を割り込むが勝負の後半戦で見据えるのは大逆転優勝だ。首位広島と7ゲーム差開いたが、たじろがない。後半戦での直接対決は14戦。特に9月以降は敵地で8戦が待ち構える。金本監督は「直接でやっつけていくしかない。向こうもスキがあると思う」と続けた。今季もここまで3勝8敗と旗色は悪いが、逆襲に打って出る覚悟だ。

 前半戦は誤算だった。指揮官は35勝38敗1分けの結果を「やはり、想像していたよりは、厳しい前半戦だったのかなと思います。守備面でのミスからの失点と打つ方。得点力不足というのが一番」と振り返った。チーム打率2割4分3厘、280得点はリーグ最低。弱点が浮き彫りになり、金本監督は「まずは得点力。上げていかないことには、どこにも打開策はない」と危機感を募らせた。広島と互角に渡り合うためにも、貧打解消は欠かせない。

 キーマンは新助っ人ロサリオだ。不動の4番と期待されたが、前半戦は変化球主体の攻めに苦しみ、打率2割3分、4本塁打。6月から2軍調整が続く。金本監督は9、10日の2軍中日戦(鳴尾浜)も視察。当面の1軍昇格は見送る方向だが、逆襲の旗手に見込む。

 金本監督 期待は常にしている。すごく、やる気も持っているし、もともと、実力もあります。日本に来て環境の違いや生活のリズムとか、いろいろある。だいぶ慣れてきたということだった。後半戦、大いに、倍返しに期待しています。

 昨季まで韓国では2年連続3割30本塁打100打点をマークした大砲だ。メジャー通算71本塁打の実績もある。「倍返し」の働きを見せれば、打線の破壊力は格段に増す。R砲が復活すれば、打倒広島は夢物語ではなくなる。【酒井俊作】

 ▼阪神が7ゲーム差を覆して優勝すれば、2リーグ分立後の球団史上最大逆転Vとなる。過去の最大は64年の6.5差で、大洋との終盤のつばぜり合いを制した。なおプロ野球史上最大ゲーム差逆転は、63年西鉄が南海を追い抜いた14.5差。セ・リーグでは08年、巨人が阪神をかわした13差が最大。