工藤監督「野球を楽しめ」逆転優勝へ熱弁5分

円陣の中心で話すソフトバンク工藤監督(撮影・栗木一考)

 ソフトバンク工藤監督が逆転優勝へ、ナインに「野球を楽しめ」指令を出した。今日16日からホームで首位西武と3連戦。現在、首位とは今季最大の6・5ゲーム差だ。球宴からこの日チームに戻ってきた工藤監督は、ヤフオクドームでの全体練習前に訓示を行った。外野に円陣をつくり、約5分熱弁をふるった。15年の就任後、最長ともいえる異例の長さだった。

 残り67試合。指揮官は「結果はオレが責任を取る。みんなで明るく元気に野球を楽しく真剣にやろう」と、伝えた。自身の現役晩年の話もした。施設訪問をした時に野球をやりたくてもできない人々と会い、野球ができる喜びを改めて感じた。引退後、東日本大震災の被災地を訪問したことも話した。

 現在も西日本豪雨で大きな被害が出ている。後半戦も開幕投手に指名された千賀は「野球をやれているだけで幸せ。僕には思い切りボールを投げることしかできない」と工藤監督の話に共感。「西武打線と対戦するのはやりがいがある。全力でたたきにいきたい」と燃えていた。

 右肘関節炎で離脱していた今宮も復帰。工藤監督は「今宮と松田が元気でいてくれたらチームは乗っていける」と2人をキーマンに挙げた。

 千賀、石川、武田と若い3人を先発させ強力西武打線の勢いを止める。20日からは敵地で2位日本ハムとの3連戦も待つ。勝負の1週間となるが「先を考えず、まずはひとつずつ。1試合に一喜一憂せず前を向いて戦いたい」と、目の前の敵にベストを尽くす。昨年王者が混戦パ・リーグを楽しんではい上がっていく。【石橋隆雄】