オリックス“ラオウ”杉本再び爆発、2戦連続満塁弾

オリックス対日本ハム 3回裏オリックス1死満塁、杉本は右中間へ満塁本塁打を放ちベンチ前で歓喜のポーズ(撮影・渦原淳)

<オリックス11-0日本ハム>◇17日◇京セラドーム大阪

 オリックスの「ラオウ」こと杉本裕太郎外野手(27)が、日本ハム13回戦の3回、プロ野球8人目の2試合連続満塁本塁打を放った。今季初安打が満塁弾となった11日の楽天戦以来、今季2試合の出場で、2安打ながら8打点。漫画「北斗の拳」のように破壊力満点の打撃を披露した。

 「ラオウ」が再び爆発した。4点リードの3回1死満塁。打席に向かう杉本に、福良監督が声をかけた。「アウトコースのボールを思い切りいけ!」。前の打者・安達は死球を受け、インコースはないと指揮官は読んだ。しかし、杉本は2球目の外角球を見逃す。「打たんかったら、絶対に怒られる…。ヤバい」。内心、びびりながら、腹をくくった。4球目に同じコースに直球が来る。低い弾道で右中間スタンドに飛び込んだ。

 11日の楽天戦に続く2戦連続の満塁アーチ。史上8人目となるプロ野球タイ記録で、20代は初めて。「まぐれと思うが、うれしいものはうれしい」と笑った。プロ3年目で本拠地初本塁打を放ってお立ち台に上がり「1日1日が勝負。明日も出られるように頑張ります」と力強く宣言した。

 漫画「北斗の拳」のラオウに憧れ、指揮官をはじめ、チーム内ではその名で呼ばれる。昨年はプロ初安打を先頭打者本塁打で記録。プロ入りから3本のアーチはすべて強烈なインパクトを残す。福良監督はこの日の弾丸ライナーに「考えられない。すごいパワーだ」と驚く。

 杉本の満塁弾もあり、3回まで合計8得点。大量リードを受け、先発ディクソンは4年ぶりの完封勝利。開幕からの完投ゼロは日本タイ記録に王手がかかっていたが、81試合で止まった。【田口真一郎】

 ◆杉本裕太郎(すぎもと・ゆうたろう)1991年(平3)4月5日、徳島・阿南市生まれ。小1で野球を始め、軟式野球部に所属していた中学3年時はエースで3番を任され、四国大会3位。徳島商では1年夏に甲子園出場も出番なし。高校通算12本塁打。青学大、JR西日本を経て15年ドラフト10位でオリックス入団。190センチ、94キロ。右投げ右打ち。

 ▼杉本が11日楽天戦に続き、出場した2試合連続で満塁本塁打。2試合連続満塁弾は13年ホフパワー(日本ハム)以来8人目のプロ野球タイ記録で、オリックスでは初めてとなった。また杉本は27歳3カ月。過去の達成者のうち、最年少でマークしたのは93年秋山(西武)の31歳4カ月で、20代で記録したのは杉本が史上初めてだ。