広島は負けない 逆転勝利でセ界の貯金を独り占め

広島対巨人 1回裏に先制適時二塁打を放ち、2回表巨人の攻撃で守備に就いた鈴木は、声援に丸刈り頭をさすって応える(撮影・浅見桂子)

<広島7-5巨人>◇21日◇マツダスタジアム

 広島がチーム一丸で巨人に連勝し、昨年から続く同カードのマツダスタジアムでの連勝を11に伸ばした。4試合ぶりにスタメン復帰した鈴木誠也外野手(23)が先制打。1度は試合をひっくり返されたものの、12安打の攻撃で逆転勝利を飾った。貯金は14。今日22日、勝利すれば巨人の自力Vが消滅する。リーグ3連覇へ、この勢いで突き進む。

 広島打線が1回から菅野を攻略した。先制点は4番に戻った鈴木だ。1回2死三塁の好機。真ん中付近のカットボールを振り抜いた。中堅フェンス直撃の特大二塁打。スタメン復帰の第1打席で結果を出し、チームに勢いをもたらした。

 「ちょっとバットの先だったけど、ヒットが打てて良かった。昨日もああいう(逆転サヨナラ)勝ちだったし、(連勝は)チームにとって大きい」

 16日の中日戦で左すね付近に自打球を受けた影響で、ここ3試合はスタメンを見送られた。前日20日の巨人戦は代打で3試合ぶり出場も中飛に倒れていた。

 4月下旬に「鉄人」衣笠祥雄氏が逝去し、一昨年に「レギュラーである以上、常に試合に出続けないといけない」と金言をもらったことを明かした。先月のお別れの会に出席後は「頑張って鉄人になれるように」と誓った。責任感の強い男だけに、2試合とはいえ欠場が続いたことは不本意だったはず。前日20日から突然のように頭が丸刈りに。「その話はいいじゃないですか」と口をつぐんだ。

 4回に逆転されても、強力打線は菅野に襲いかかった。4回は田中の犠飛で1点差。5回は西川の適時打で追いつき、なお2死二、三塁から会沢が決勝2点打。内角球を執念で左前に落とした。規定打席不足ながら、開幕直後から打率3割以上をキープ。頼れる選手会長は「厳しいコースだったが気持ちが入っていた。今日の試合は本当に大事だった」と振り返った。

 前回6日の菅野との対戦では8回無失点で白星を献上していたが、リベンジに成功。豪雨災害後、初のホーム3連戦に2連勝でカード勝ち越しを決めた。緒方監督は「逆転されても2アウトからつながって、また逆転できたのは大きかった」とたたえた。2位巨人を勝率5割に押し戻し、再びセ・リーグの貯金を独り占め。3連覇へ独走ムードが漂ってきた。【大池和幸】

 ▼広島が2位巨人に連勝。マツダスタジアムの巨人戦は今季7戦7勝、昨年8月12日から11連勝となった。広島の同一カード同一球場の連勝記録には79~81年神宮球場のヤクルト戦15連勝、79~81年広島球場の中日戦14連勝があるが、マツダスタジアムでは16~17年ヤクルト戦11連勝に並んだ。これで今季のマツダスタジアムは26勝8敗1分けとなり、本拠地では昨年を上回る勝率7割6分5厘をマーク。また、広島は4月24日から首位を守っているが、この間のセ・リーグ2位チームとの対戦は○○○○●○○○○○○の10勝1敗。2位チームをたたいて首位を独走している。