鷹の大竹が育成新人初快挙、人生ほぼ文集青写真通り

西武対ソフトバンク 初登板初先発で好投するソフトバンク大竹(撮影・鈴木正人)

<西武6-14ソフトバンク>◇1日◇メットライフドーム

 ソフトバンクの育成出身ルーキー左腕、大竹耕太郎投手(23)が、大仕事をやってのけた。支配下選手登録からわずか2日で1日の西武戦(メットライフドーム)に先発し、強力西武打線を相手に堂々の8回2失点。育成出身の新人として史上初となる初登板初勝利を成し遂げた。先発投手の駒不足に悩むソフトバンクに孝行息子が現れた。

 大竹はくじけなかった。初回、山川に左翼へ特大の先制28号2ランを浴びた。「これが1軍かという打球でくじけそうになった」。だが、済々黌で甲子園を沸かせ、早大で左腕エースとして大舞台を重ねてきた経験が生きた。立ち直り、楽天辛島、塩見の緩急を生かした投球を参考に最速142キロの直球とチェンジアップ、スライダー、カーブと低めに集め2回から8回まで「0」を並べた。

 チームはこの日の先発投手選びに苦しんだ。右肩痛の東浜が間に合わず、新外国人ミランダも状態が上がらない。2軍で8勝0敗の育成ドラフト4位ルーキー大竹を補強期限ギリギリの7月30日(発表は29日)に支配下契約し、先発を託した。7月25日のウエスタン・リーグ広島戦を視察した倉野投手統括コーチは「大竹の直球はベース板のところで伸びるしキレがある。(先発候補の中で)一番安定していた」と抜てきの理由を明かした。

 12点差あったが9回は交代。工藤監督は「球数が今まで最高でも95、96球ということだったので(103球の)8回で代えた。いいところで代えてあげたいというのもあった。期待以上です。次も先発で投げてもらいます」と大絶賛。ウイニングボールを手渡し大竹の頭をなでた。

 小さいころからホークスファン。背番号「10」で初勝利。「本当は夢の中じゃないかと思うことがある。(移動の)飛行機の隣に千賀さんが座っていたり。起きたら寮のベッドじゃないかと」。自身のツイッターにアップした中学の卒業文集には未来の自分の人生を書いている。「早大→ソフトバンクにドラフト3位で入団→25歳で1軍に上がる」。入団は「育成」だったが、1年目23歳で1軍に上がり1勝を挙げた。「(文集より)早かったですね」と笑った。【石橋隆雄】

 ◆大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)1995年(平7)6月29日、熊本県生まれ。済々黌では1年夏からベンチ入り。2年夏と3年春に甲子園出場。早大を経て昨年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。7月30日に支配下選手登録され、背番号は133から10に変更。184センチ、78キロ。左投げ左打ち。

 ▼新人の初登板初勝利は今年の田嶋(オリックス)高橋遥(阪神)がいるが、ソフトバンクでは12年武田以来21人目。大竹は7月30日に育成契約から支配下登録されたが、育成出身で初登板初勝利は17年篠原(巨人)と今年のメルセデス(巨人)に次いで3人目。篠原は3年目、メルセデスは2年目が初登板で、育成出身の新人が初登板初勝利は大竹が史上初めて。