広島今日にも最速M点灯 緒方監督300勝で決める

ヤクルト対広島 ヤクルトに勝利し喜び合う、右から鈴木、下水流、堂林(撮影・河野匠)

<ヤクルト7-13広島>◇1日◇神宮

 マジック王手!! 広島が6発を含む16安打13得点でヤクルトに大勝した。連勝で貯金は今季最多18とし、2位とのゲーム差を最大10・5ゲーム差に広げた。緒方孝市監督(49)にとっては監督通算299勝。300勝のメモリアル勝利にも王手をかけた。今日2日に勝てば、球団最速の優勝マジック点灯となる。

 目の前に迫ったマジック点灯の前祝いのように、6本の花火を神宮の夜空に打ち上げた。広島打線をけん引する中軸のそろい踏みで序盤3回までに8得点を奪うと、その後も攻撃の手を緩めず燕投手陣を打ち崩した。今日2日、ヤクルトに勝てば優勝マジックが点灯する。同時に緒方監督にとっては球団史上5人目の通算300勝到達となる。

 緒方監督 効果的に点を取ってくれた。今日は打線でしょう。甘い球、失投を見逃さずに捉えられている。集中力を持って打席に入れている証拠。続けて欲しい。

 就任してから種をまき、水を与え、成長を続ける選手の姿に目を細める。チームの柱に据えたタナキクマルは大きな柱となり、中軸を託した鈴木も4番が似合う打者となった。「ポジションを与えようなんて思っていない。結果を残さなければ代える」。厳しく見守ってきた若き4番はこの日、5安打7打点で打線をけん引。打率を3割1分6厘まで上げ、16本塁打、58打点と文句のつけようのない成績を残している。

 弾丸ライナーのソロを含む複数安打複数打点で「恐怖の6番」と化したバティスタも指揮官が期待を寄せてきた1人。まだ育成選手だった一昨年春のオープン戦から積極的に実戦起用。経験を積ませたことで、早く日本球界に順応した。

 バティスタを含め、カープアカデミー出のドミニカ共和国出身選手が外国人4枠のうち、3人を占める。ヤクルト3連戦を前にした7月30日にはドミニカ3選手とクレート通訳を食事に誘い、労をねぎらうとともに、今後の成長にも期待の言葉を送った。「育てながら勝つ」を実践し続ける。

 今日にもマジックが点灯するが、緒方監督は「戦っている我々には関係ない」と一蹴する。ただ、一昨年に25年ぶり優勝で花を咲かせたチームは、さらに2年の月日をへて、幹を太くした。さらに大きな花を咲かせる瞬間は、もうすぐだ。【前原淳】

 ▼広島がヤクルトに連勝し、今日にも優勝マジックが点灯する。広島がヤクルト戦に○でM42、ヤクルト戦に△の場合は、DeNAが△か●でM43が出る。昨年の8月8日を抜いて球団最速M点灯日となるか。