阪神助っ人右腕補強へ「第2のボルシンガーを探せ」

アストロズ時代のヘンリー・ソーサ(ロイター)

 阪神が今オフ補強のターゲットを「先発外国人右腕」に定めていることが2日、分かった。ロッテで両リーグトップの12勝を挙げているマイク・ボルシンガー(30)のように、近年は右の助っ人が活躍している傾向も重視。7月に渡韓して調査していたことも判明し、今季LGで8勝しているヘンリー・ソーサ投手(33)らが候補とみられる。最下位に沈む中、来季に向けた戦力整備も進めていく。

 最下位に転落してもチーム強化の歩みを止めない。阪神がオフの補強を見据えて、助っ人の先発右腕を重点的にリストアップしていることが判明した。球団幹部は「他球団を見ても最近は外国人の右投手が活躍している。ボルシンガーがいい例です」と話した。来日1年目のロッテ・ボルシンガーは、多彩な変化球を操って、NPB外国人新記録にあと1歩まで迫る11連勝を記録。今季12勝は両リーグ最多で防御率2・45を誇る。

 合言葉は「第2のボルシンガーを探せ」だ。近年、日本球界では助っ人先発右腕が活躍する。ヤクルトではブキャナンが8勝、カラシティーが6勝をマーク。DeNAウィーランドも昨季10勝の活躍だ。阪神は7月17日巨人戦(甲子園)でヤングマンに10三振するなど白星を献上した。この傾向を生かさない手はない。先発陣の大黒柱メッセンジャーが4月16日に国内FA権を取得し、来年は日本人扱いになる。新たな外国人先発が来季補強のポイントになるなか、剛腕の右投手を中心に動向に注目する。

 米球界を主なターゲットとする中で、7月に渡韓して、新戦力を調査していたことが分かった。特に今季の韓国プロ野球は、外国人の先発投手が席巻。防御率ランキング上位を独占する。有力候補とみられるのが、ドミニカ共和国出身のLGソーサだ。最速150キロ超で、平均球速も150キロのパワー型投手。今季は8勝で防御率2位の3・05を記録する。11年には大リーグのアストロズで10試合に先発して3勝するなど、経験も豊富だ。

 また、斗山のジョシュ・リンドブロム投手(31)は195センチの長身から投げ下ろす。140キロ台後半の速球のほか、落差の鋭いフォークやブレーキの利いたカーブを駆使し、日本向きといえる。今季は13勝を挙げて防御率1位の2・59と安定感がある。大リーグでは救援を中心に114戦に登板した。斗山のセス・フランコフ投手(29)はカットボールを多投し、リーグ最多の15勝。幅広くリストアップしている模様だ。

 今後は大リーグも継続的にリサーチし、候補投手を精査していく。この日広島が敗れたため、一夜で自力Vが復活。だが水面下での補強作業も進行させ、ボルシンガーのような右腕の「大当たり助っ人」を狙う。

 ◆ボルシンガーの活躍 今季ロッテに加わった185センチ右腕は現在、12勝と両リーグリーグトップを快走している。切れのいい速球とカーブを武器に、5月4日の日本ハム戦から7月21日のオリックス戦まで、外国人最長タイの11連勝を飾った。登板11試合で11勝は、球団では85年村田兆治以来の快挙だった。この間阪神も、6月10日の対戦(甲子園)で7回2得点に抑えられ、白星を献上した。

 ◆ヘンリー・ソーサ 1985年7月28日生まれ、ドミニカ共和国エル・セイボ出身。04年にジャイアンツと契約。11年にアストロズ傘下にトレードされ、同年メジャーでデビューした。12年から韓国でプレーし、2桁勝利が4度。185センチ、95キロ。右投げ右打ち。

 ◆ジョシュ・リンドブロム 1987年6月15日生まれ、米国インディアナ州出身。08年ドラフト2巡目でドジャースと契約。11年にメジャーでデビュー。15年から韓国でプレーし4シーズンで2桁勝利が3度。193センチ、108キロ。右投げ右打ち。

 ◆セス・フランコフ 1988年8月27日生まれ、米国ノースカロライナ州出身。10年ドラフト27巡目でアスレチックスと契約。17年カブスでメジャーデビュー。今季から韓国・斗山に移り、15勝の活躍を見せている。196センチ、95キロ。右投げ右打ち。