阪神糸井はやっぱり超人 きょうヤクルト戦志願出場

練習中、金本監督(右)と話しをする糸井(撮影・奥田泰也)

 やっぱり超人だ! 右足の腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手(37)が、今日4日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)に志願出場する。医師から完治まで最短1カ月半と告知されて痛みも残るが、最下位に沈む猛虎の窮地に闘志全開。チーム4冠男は「まだまだ上位を狙える」とこの日の練習では特大柵越えを連発し、逆襲を導く強い覚悟を体現した。

 先日、医師から検査結果を聞いた糸井は、大きく目を見開いた。まだ、右足は治っていなかった。だが、試合に出ることを強く望んだ。「(骨折した箇所は)膜ができたぐらいで、まだまだ全然くっついてはなかった。腓骨は変なくっつき方はしないと聞いたよ。直接、痛みは出るけど、変な治り方はしないって聞いたから。できる範囲では(プレーが)できますよ」。

 骨折の影響で直近の中日戦2試合を欠場。当然、痛みはまだある。悲壮な覚悟で、今日4日のヤクルト戦からの復帰を志願した。

 「今は最下位ですけど、まだまだ上位を狙えると思うので、みんなでひとつになってやるしかない。(自分も)そこに加わりたいので。だから、明日から(試合に)出してください!(笑い)」

 医師からは完全に治るまで「あと1カ月半から2カ月はかかるって言われた」という。だが、糸井が故障後に欠場したチーム成績は1勝9敗。最下位転落、一時自力Vが消滅する要因にもなった。チームの打撃部門4冠の責任を感じるからこそ、完治まで待てない。何とかチームを救いたい。力になりたい。選択したのは強行出場だった。

 この日は京セラドーム大阪で全体練習に参加。練習前に一塁側ベンチですれ違った金本監督には「大丈夫か?」と右足を指さされた。すると、ニッコリ笑ってグラウンドに走った。フリー打撃は43スイングで6本の柵越え。そのうち1本は5階席に届く特大弾だった。ロングティーでも24スイング。戦う準備を整えた。

 金本監督は状態について「明日、行けると思う。だいぶ張りも取れたみたい。骨もだいぶ、くっついてきているらしい」とゴーサイン。「(復帰してから)ちょっと無理して出たからな。骨より骨の周りを、やっぱりかばうから。肉離れを起こしそうなくらい張っていたらしい。それが取れてきた。骨の問題ではなしに。(完治していないので)最悪、ブチッといくのだけは気をつけんとね」と出場時のフォローを約束した。

 まだ残り56試合ある。首位広島とは大きく離されたが、Aクラス争いは大混戦。虎の大逆襲に、超人の力は欠かせない。【真柴健】