広島大瀬良トップ12勝、緒方監督通算300勝祝う

DeNA対広島 7回裏DeNA無死、筒香に力のこもった投球する大瀬良(撮影・たえ見朱実)

<DeNA2-4広島>◇4日◇横浜

 広島大瀬良大地投手(27)がリーグ単独トップとなる12勝目を挙げた。8回1失点の力投で、DeNA戦2年ぶり白星。自己最多タイとなる1シーズン3完投は次回以降に持ち越しとなったが、1週間前に敗れた京山との投げ合いを制してリベンジに成功した。チームの連敗を2で止め、緒方孝市監督(49)に通算300勝目をプレゼントした。

 もはやエースの貫禄すら漂う力投だった。大瀬良が12勝目を挙げ、リーグトップで並んでいた中日ガルシアを突き放した。自己最多10勝は既に更新。再び白星を重ね、笑顔が輝いた。

 「勝てるのはいいこと。何とか勝ちをまた増やし続けていければいい。11勝からは初の体験だし、新鮮な気持ちですね」

 1週間前に投げ合った京山との再戦。だがそんな意識よりも、試合前から自分と闘っていた。「ブルペンからストライクが入らず、感覚も悪くて大丈夫かなと思った。結局、真っすぐを戻すことはできなかった。見せ球にしながら、いろんな球種を使っていこうと思った」。好調でなくても、きっちりと結果を出せるのが今季の大瀬良だ。

 不安だった初回を3人で片付けた。2回は1死から宮崎にソロ本塁打を被弾も、連打は許さない。初めて先頭を出した8回も併殺でピンチの芽をつみ取った。「とにかくストライク先攻で、点を取ってもらったので、行けるところまで行こうと。それが良かった」。打者28人と対戦して3ボールになったのは2度だけだった。

 DeNA戦勝利は中継ぎで手にした16年以来。同カードの先発登板では、プロ初完封を達成した14年9月6日以降5連敗中だった。今季もセの5球団の中で、1チームだけ勝てていなかった。苦手をつくらないのは勝負の鉄則。勝ったことで、また次に進める。

 9回は抑えの中崎に託したが、8回1失点は堂々の内容。前夜に5人を注ぎ込んだ救援陣を休ませることができた。早い降板が目立つ先発陣の中で奮闘が光っている。緒方監督も「素晴らしい投球。内容がこの(長い)イニングにつながった」と絶賛した。その指揮官に300勝目をプレゼントする形になった右腕は、「何とか僕で勝てて良かった」と笑った。最短の優勝マジック点灯は、7日だ。【大池和幸】