長嶋茂雄氏入院「昼は高校野球、夜は巨人TV観戦」

3月、「東京写真記者協会創立70周年記念スポーツ報道写真展」を訪れ、現役時代の写真の前で笑顔を見せる巨人の長嶋終身名誉監督

 巨人長嶋茂雄終身名誉監督(82)が、7月初旬から入院していることが8日、分かった。体調が優れずに大事を取って入院。検査で胆石が見つかり、治療を続けている。

 体力が落ちた時期もあったが、現在は快方に向かっていると、球団を通し、同監督の家族が説明しているという。長嶋氏本人もメッセージを通して回復をアピールし「チームは苦しい状況ではありますが、優勝をあきらめずに最後まで頑張ってほしいと思います」とエールを送った。

 球界の太陽、ミスターが入院していることが明らかになった。球団が長嶋氏の体調について家族を通して現状を説明した。体調が優れずに7月初旬に大事を取って入院し、検査で胆石が見つかったために入院したまま治療を継続。体力が落ちた時期もあったが、現在は食事も普通に取って、快方に向かっているという。

 最近は公の場に姿を見せていなかった。巨人戦観戦も5月は3度ほど訪れるなど精力的だったが、6月8日の西武戦以来、遠ざかっている。7月8日、男子ゴルフツアーで自らの名前を冠にした「長嶋茂雄招待セガサミー・カップ大会」の最終日も欠席した。大会名誉会長を務め、最終日に北海道を訪れるのは恒例行事だった。

 長嶋氏の不在は不安を呼ぶ。ミスターは周囲を気遣うように、球団を通してメッセージを発した。

 長嶋氏 大変ご心配をお掛けしました。おかげさまで回復しています。今は静養に努めながら、昼は高校野球、夜は巨人戦をテレビ観戦しています。山口俊投手のノーヒット・ノーランには心が震えました。内海、吉川光、メルセデスの左腕3投手による(7月31日、8月1日、同2日)対DeNA戦3連勝には元気をもらいました。チームは苦しい状況ではありますが、優勝をあきらめずに最後まで頑張ってほしいと思います。

 アテネ・オリンピック(五輪)の監督を務めていた04年3月に、脳梗塞で倒れた。強靱(きょうじん)な体力と不断の努力でリハビリに努め、驚異的な回復を続けてきた。13年には愛弟子の松井秀喜氏とともに国民栄誉賞も受賞。勇気の象徴として、今なお輝き続ける。

 病院でも4年ぶりのリーグ優勝を目指す「永久に不滅の巨人軍」を気に掛けていた。2月の春季キャンプでナインを「勝とう! 勝つ、勝つ、勝~つ!」と鼓舞していた。愛する野球からのパワーを得て、巨人を温かく、熱く、見守る。

 ◆胆石(たんせき) 肝臓から分泌される胆汁の成分が固まり、胆のうや胆管などに結石ができる病気。石の大きさは、砂粒から~鶏卵大ほどまでさまざま。成分は主にコレステロールやビリルビン(胆汁色素)などで、日本の成人では15~20人に1人の割合で胆石があるとされる。加齢とともに発症しやすく、男性より女性の方がなりやすい傾向がある。発熱や黄疸(おうだん)、右腹部の痛みなどが主な症状だが、無症状の場合もある。治療は結石の種類や症状により、腹腔(ふくくう)鏡での胆のう摘出手術、経口薬で石を溶かす方法など。