DeNA筒香の満弾から3連発 1年前にも同じ光景

DeNA対広島 3連続本塁打のDeNAの立役者たち。左からソト、宮崎、筒香(撮影・中島郁夫)

<DeNA7-5広島>◇17日◇横浜

 ハマスタ8月の3連発といえば…DeNAは8回、筒香嘉智外野手(26)の25号逆転満塁本塁打を皮切りに宮崎21号ソロ、ソト22号ソロと3連発が飛び出し一挙6点を奪い、広島を豪快にひっくり返した。昨年8月、同じ広島相手、横浜スタジアムで筒香、ロペス、宮崎の3連発でサヨナラ勝ち。プロ野球史上初の劇的勝利で勢いに乗り、日本シリーズまで突っ走った。大逆襲ののろしとなるか。

 奇跡への号砲は、逆風を裂いて右翼スタンド最前列に突き刺さった。8回無死満塁。筒香は素振りをしながら広島の投手交代を見やり、高ぶる感情を落ち着かせた。打席に向かってくる逆風は試合前から吹いていた。「ホームランが入りにくいかな。打てる球をいこう。しっかりと捉えれば、入る」。一岡の初球。フルスイングで捉えた146キロは弾丸ライナーとなった。

 「どっちかな?」。手応えと風をてんびんにかけ、行方を見届けた。一塁ベースを蹴る瞬間「ヨッシャー!」と叫んだ。「ホームランを狙うのはあまり少ないんですけどね」と狙って仕留めた25号逆転満塁弾。スコアをひっくり返し、雰囲気を一変できることは分かっていた。「勢いが出たら相手からすると、すごく嫌な打線だと思う」。続く宮崎が3球で仕留め、ソトが初球をスタンドに運び3連発となった。

 ちょうど1年前に起こった奇跡の始まりと完全に重なった。8月22日、同じ場所、同じ相手に筒香、ロペス、宮崎の3連発サヨナラ勝ち。風向きが変わった。巨人の猛追を退け3位でクライマックスシリーズ(CS進出)。日本シリーズまで勝ち進んだ。ラミレス監督も「我々が期待する4番の仕事はあれ以上ない。今年もこれがターニングポイントになる」と確信した。

 7月24日浜松で行われた中日戦前夜。筒香は名物のウナギ店をはしごしていた。22号を放ったが、その後打撃はうなぎ上りになるどころか急降下した。14試合連続不発の間、試合前練習ではスタッフに動画を撮影してもらい「客観的に自分のフォーム見られるように」とロッカー室で確認し、5戦3発と量産態勢に入った。「明日が大事。明日いい勝ち方をすれば乗っていける」。うなぎ上りの夏にする。【栗田成芳】

 ▼DeNAは8回に筒香、宮崎、ソトが3者連続本塁打。DeNAの3者以上の連続本塁打は、17年8月22日広島戦(筒香-ロペス-宮崎)以来11度目。この日は筒香の満塁弾からの3者連発だったが、これは03年6月28日広島戦のヤクルト(ラミレス-鈴木健-古田)以来15年ぶりで、DeNAでは球団史上初めて。