阪神、中日に完敗 右6人打線ガルシア攻略ならず

中日対阪神 6回表阪神無死一塁、北條(右)が併殺に倒れ厳しい表情の金本監督(左)(撮影・前岡正明)

<中日4-1阪神>◇21日◇ナゴヤドーム

 阪神が中日に完敗した。相手先発のガルシア対策として、右打者6人を起用して攻略を目論んだが、不発。9回に糸井嘉男外野手(37)の15号ソロで1点を返すのがやっとだった。一方、先発岩貞祐太投手(26)は初回、ビシエドに3ランを浴びるなど6回4失点で降板。投打が噛み合わず、下位にあえぐ中日に痛い星を落とした。

 金本阪神が講じた長身190センチの左腕対策は不発に終わった。下位の中日相手に完敗し、ナゴヤドームで3連敗…。1回に先発岩貞が、いきなり3点を失ったのが重荷になった。金本監督も渋い表情で「いきなりドーンと3点ではヒットエンドランもやりにくい。バントとかも、やりにくいのはやりにくい。確かに、作戦は立てられませんよ」と振り返るしかなかった。

 試合前の左翼席がどよめいた。1番先発は「植田2B」と表示される。不動のトップバッターだった糸原が6月1日西武戦(メットライフドーム)以来、今季2度目のスタメン落ち。代役として、今季15盗塁の快足男を7月17日巨人戦(甲子園)以来の先発に抜てきした。金本監督は「(糸原は)疲れもたまっているみたいやし、ガルシアとの相性もあった。(植田)海の足でかき回したいのがあったし」と意図を明かした。

 今季、全試合出場する糸原はガルシアに9打数1安打と苦戦していた。昨年痛めた膝の心配もあり、ベンチスタートになった。ガルシアは走者が出ると制球を乱す傾向がある。指揮官も「セットになるとちょっと弱くなるんだけど、なかなかつけ込めなかった」と説明。植田の機動力で揺さぶる思惑は外れ、巡り合わせも悪かった。3点を追う3回2死三塁では植田が球威に押されて投ゴロ。1軍デビュー後の3年間で209打席連続打点なしの珍しい記録にくさびを打てなかった。

 8月は勝ち越しているが乗り切れない状況が続く。福留が長期ロード中にスタメンを外れた試合は1勝5敗。「飛車」を欠けば不利な戦いを強いられており、41歳のベテラン頼みの苦境は変わらない。9回に糸井のアーチで完封負けをまぬがれるのが精いっぱいだった。攻略する糸口すら見いだせなかったガルシアには1勝3敗。これで10日間、4位から動けず、停滞感だけがにじむ。【酒井俊作】