<中日2-5阪神>◇22日◇ナゴヤドーム
崖っぷちで踏ん張った! 阪神才木浩人投手(19)が先発ローテ生き残りのラストチャンスと位置づけられた22日の中日戦(ナゴヤドーム)で自己最長の7回、同最多の127球を投げ2失点。7月25日広島戦(甲子園)以来となる4勝目を挙げた。初回に3連打で1失点したが、4番ビシエドを三振に斬ってグンと調子を上げた。先発陣のやり繰りに苦しむ虎投にとっても大きな1勝だ。
試練を乗り越えた。150キロに迫る直球と、スピード差のある変化球を駆使して、才木が壁をぶち破った。「あまり勝利に貢献できないピッチングが続いてたので、今日は絶対に抑えるという気持ちで投げました」。自己最長の7回、127球の熱投で7月25日広島戦以来、約1カ月ぶりの勝ち星。今季4勝目をつかんだ表情には充実感があふれた。
立ち上がりは3連打を浴びて1点を失った。だが、ここからが違った。初回無死一、二塁。4番ビシエドを外角高め145キロ直球で空振り三振に仕留めた。「いつも初回に点を取られてばっかりなので、絶対にここは切り抜けるという気持ちで投げました。真っすぐで三振が取れたので、自分が乗っていけた」。後続も力あるボールでなぎ倒し、成長の証しを見せつけた。2回1死二、三塁の打席では遊ゴロを転がし、プロ初打点。バットでも自分を助けた。
8月は先発登板3戦連続で黒星を喫した。15日広島戦後には金本監督が「ラストチャンスで」と今回限りで見切る可能性も示唆していた。苦しんだ19歳は考えた。何がダメなのか。球団寮の虎風荘に帰って、夜遅くまで映像を見直した。「ただ投げて満足するんじゃなくて修正ポイントをしっかり見ていきたいので」。足の上げ方、投球フォームのバランスやリリースの位置を確認。新たな発見があった。「自分はもっと前で(ボールを)放していると思っていたけど、映像で見たらイメージとは違った」。修正を施して勝負のマウンドへ。最後のチャンスにも「あまり気にしてなかった」と笑うほど崖っぷちに強かった。
週に1度の楽しみは先発登板だけでない。休日には「ヨガ」に通い、精神統一を図る。「ストレッチして肩関節をほぐすこともできる。心を落ち着かせる時間にもなる」。さらに「先輩に食事に連れていってもらえることですね。お店のランクが高すぎて、自分では行けないお店に…」と遠征先での楽しみにニヤリと笑う。この日の熱投で、おいしいご飯生活は継続されそうだ。
19日ヤクルト戦(神宮)では救援登板で26球。金本監督は「1イニング限定だったからね。ブルペンに入るつもりで。勝ちパターンのリリーフを守るための、先輩孝行ですよ」と中2日で先発して、ナゴヤドームでの連敗を5で止めた19歳を褒めた。タフネス右腕が連戦続きのシーズン終盤も、輝きを放つ。【真柴健】