日本ハム・レアード「やっと打てた」猛攻呼ぶ3点弾

ロッテ対日本ハム 1回表、本塁打を放ちすしポーズで三塁を回るレアード(撮影・野上伸悟)

<ロッテ2-7日本ハム>◇8月31日◇ZOZOマリン

日本ハムのブランドン・レアード内野手(30)が、久々の快音でチームを勝利に導いた。ロッテ21回戦(ZOZOマリン)で、1点先制後の1回1死一、三塁から左中間に24号3ランを放った。8月3日西武戦以来23試合ぶり、99打席目の一発。前夜30日のオリックス戦では適時失策を犯し、4打数ノーヒットだった。16打席ぶりの安打が、試合を決める貴重な3点弾となった。

待ち望んでいた余韻を、全身で堪能した。1点を先制した後の1回1死一、三塁。レアードが待望の瞬間を迎えた。2ボールからの3球目。ロッテ先発二木の浮き上がってきた133キロのフォークを、捉えた。「つなぎたい一心で打席に入ったよ」。左中間席に放り込む、24号3ラン。三塁ベースを蹴り上げ、三塁側ベンチのチームメートを指さし、大声で叫んだ。持ち味のアーチは、打者一巡で6点を奪った猛攻の中心にいた。

長かった沈黙を破った。3日西武戦以来23試合ぶり、99打席目での1発。ヒーローインタビューでは「スシ、ダイスキー!」を絶叫するほど本塁打に飢えていた。8月は打率1割台に低迷。前夜30日のオリックス戦では適時失策も犯していた。15打席連続無安打という、嫌な流れの中で迎えた第1打席。「フラストレーションがあった」。バットを握る手は自然と力が入った。「久々に良い感触。長かったなという気持ちと、やっと打てたなという気持ち」と快打に浸った。

笑顔の裏に、覚悟を秘めている。来日4年目の今季は2年契約のラストイヤー。結果へのこだわりは例年以上にある。周囲に「北海道で選手生活を終えたい」と漏らすなど、第2の故郷となりつつある札幌への愛着も、人一倍強い。しかも、妻ラナさんが第1子を妊娠中で、一家の大黒柱としての責任感も強くなった。この日、遠ざかっていたアーチを放ち「これが良い流れにつながるように」と願った。

歓喜の秋を目指し、残すは27試合。栗山監督は「目いっぱい、いくしかない」と、ラストスパートへ思いを高ぶらせる。キーマンの1人、レアードは今季カード別で最多7本塁打と相性の良いロッテ戦で復調の兆しを漂わせた。ブルーの瞳の助っ人は「9月が楽しみさ」と不敵に笑い「勝利に貢献出来るような、大事なところで安打を打てるように」と逆転優勝を見据えていた。【田中彩友美】

▼日本ハムのレアードがロッテ戦で今季24号を放った。8月3日西武戦以来23試合ぶりの1発は、試合を決める3ラン。今季はロッテ戦にめっぽう強く、対戦カード別成績では、本塁打が最多7本、安打数(19本)打率(2割8分4厘)打点(14)も最高の数字を残している。