広島初3年連続70勝 大瀬良がプロ入り無敗燕斬り

ヤクルト対広島 ヒーローインタビュー後、ファンの声援に応える大瀬良(撮影・狩俣裕三)

<ヤクルト3-8広島>◇1日◇神宮

広島が5度目の5連勝で優勝マジックを2つ減らして「15」とした。大瀬良大地投手(27)が両リーグ最速15勝目。7回2安打1失点(自責0)の好投で、ヤクルト戦はプロ1年目の14年から通算10勝0敗となった。チームは球団史上最速となる116試合での70勝到達。3年連続70勝は球団史上初。最短で11日にもリーグ3連覇が決まる。

大瀬良は7回を投げ終え、緒方監督から握手でねぎらわれた。強打のヤクルトをわずか2安打に封じた。山田哲、バレンティンといった中軸に仕事をさせず、マウンドに仁王立ちした。

「試合の中で修正しながら、回を重ねるごとに自分の投球ができた。相手のカラシティー選手がいい投球をしていたので、負けないようにと思っていた」

序盤はやや腕が振れていなかったが、緩急も使って丁寧にコーナーを突いた。5回2死まで無安打投球。中村の初安打が適時打となったが、6回以降も危なげなし。開始直後と5回に2度あった16分間の降雨中断も影響を感じさせなかった。打席では5回にセーフティースクイズも決めた。

ブルペン陣ではジャクソンと抑えの中崎が前日まで3連投しており、チーム方針から投げられない状況にあった。先発にイニングを稼いで欲しいベンチの期待に見事に応えた。緒方監督は「3回くらいからエンジンがかかった。試合後半の締め方がしっかりした投球だった」と称賛した。

大瀬良はヤクルト戦にめっぽう強い。中継ぎも含めて21戦負けなしの10連勝。そして2年連続で規定投球回に到達した。「今年は規定より、1イニングでも多く投げること」と通過点にすぎない。開幕からコンスタントに白星を重ねる。シーズン中の成長について「1つ1つの球種に対しての信頼度が上がっている。フォーク、カーブとあまり使わなかった球種でもカウントが取れている。これまでないデータで配球できている」と自己分析。8月からはチェンジアップも織り交ぜ、他球団の頭を悩ませている。

チームはこれで70勝目。優勝した昨年と一昨年より1試合早い。大瀬良は勝利数&防御率のリーグ2冠をキープ。節目の15勝について「ここまで来たらあまり数字を考えず、チームが勝てるように貢献したい」。9月。実りの秋に向け、ラストスパートに入る。【大池和幸】

▼大瀬良が今季15勝目を挙げ、ヤクルト戦はプロ1年目の14年○○○、15年○、16年○、17年○○、18年○○○と無傷の10連勝。同一カードで初対戦から無傷の2桁連勝は12~16年武田(ソフトバンク)が西武戦で11連勝して以来となり、広島では95~97年に巨人戦で10連勝した山内以来2人目の球団タイ記録。

▼広島は両リーグトップで70勝に到達。89勝の16年は117試合目、88勝の17年も117試合目に70勝をマーク。3年連続70勝は球団史上初めてで、116試合目で70勝は16、17年を1試合抜く球団最速記録。