広島新井&鈴木 マツダ初Vへ平常心「1戦1戦」

5日、ベンチからナインを鼓舞する新井

本拠地Vへ平常心。広島の本拠地マツダスタジアムでは、ビールかけ会場の設置作業が進んでいる。マジックは9。最短優勝は16日ヤクルト戦(神宮)だが、その後は28日まで本拠地試合が続く。本拠地優勝の期待が高まる中、新井貴浩内野手(41)、鈴木誠也外野手(24)ら選手たちは泰然自若。これまで同様、一戦必勝の姿勢を貫く先に、27年ぶり地元胴上げが待っている。

選手が出入りするマツダスタジアム駐車場が白い布で覆われていく。ビールかけ会場設置の作業に着手したのは7日。そのペースはマジックが1桁9になったことで上がった。最短優勝は16日ヤクルト戦。敵地神宮だが、その後は28日までの9試合をマツダスタジアムで戦う。一昨季も昨季も胴上げは敵地だった。本拠地胴上げとなれば、91年以来27年ぶり。マツダスタジアムでは初となる。

周囲の盛り上がりとは対照的に、選手は冷静だ。引退を表明した新井は「地元で? まだまだそんな意識する段階じゃない。みんなも(意識)してないと思うよ」と意に介さない。これまで何度も口にしてきた「1戦1戦」を繰り返した。新井は8日中日戦(ナゴヤドーム)に引退表明後初の先発出場で1安打1打点。さらに振り逃げと、全力プレーでチームを鼓舞した。本拠地での胴上げとなれば最高の形となるが、足もとを見つめる重要性をベテランは理解している。

ここに来て5連敗も、広島ナインに油断はない。この日、休日返上でマツダスタジアムを訪れた鈴木は設置作業が進む光景を見ながら冷静だった。「どこでもいい。まずは優勝(がしたい)」。昨年の今頃は右足首の負傷から戦列を離れていた。今季はここまで105試合に出場。「個人のことはいい。ケガせずに試合に出られていることが奇跡。それだけでいい」。4番として打率3割2分7厘、28本塁打、83打点も、個人成績には興味を示さない。昨年立つことができなかった優勝の瞬間、グラウンドに立つことだけを願っている。

まずは連敗を止める1勝に全力を注ぐ。その姿勢の積み重ねが今季の72勝となった。9合目まで達しても、その姿勢は変わらない。新井さんとともに「1戦1戦」。広島ナインは頂点を目指していく。【前原淳】