日本ハム横尾が決勝弾 レアード代役おにぎり握った

日本ハム対楽天 おにぎりTシャツを着ておにぎりポーズをする日本ハム横尾と村田(左)(撮影・佐藤翔太)

<日本ハム5-1楽天>◇22日◇札幌ドーム

日本ハム横尾俊建内野手(25)が、一振りでチームを救った。楽天22回戦(札幌ドーム)の4回、決勝の9号ソロを右翼席へ放った。打者一巡の猛攻の口火を切り、1イニング一挙5得点の立役者になった。プロ2度目の3安打猛打賞で、チームの連敗を3で止めた。不動の三塁手レアードが左腹斜筋肉離れで離脱し、クライマックス・シリーズ(CS)出場も不透明。だが「すしボーイ」の代役「おにぎりくん」が、持ち味全開に頭角を現した。

「すし」不足の打線を「おにぎり」で満たした。4回の先頭。横尾が、握った。楽天のエース則本の2球目。直球151キロを伸びやかに、逆方向の右翼席に放り込んだ。決勝の9号ソロ。7月27日オリックス戦以来、約2カ月ぶりの1発に「本当に手応えあったので、入ってくれるかなと思いました」。チームメートに迎えられ、恒例の「おにぎり」を握るパフォーマンス。丸い手をさらに丸くさせて、満足げに握りしめた。

「友達」が抜けた穴を、堂々と埋めた。不動の三塁手レアードが、左脇腹を痛め離脱。CSファーストステージの出場も微妙で、チームトップ26本塁打の助っ人の代役に抜てきされた。かねて英語でコミュニケーションを図り、食事に出かけるなど「ライバルというより友達」という間柄。「代わりになれるとは思っていない。単打でも長打でも、自分のスタイルで」とポリシーを貫いていく。

今季は主に代打出場も、6打席連続三振など持ち味の長所は影を潜めていた。プロ入り当初は「スランプになったことがない」と公言していたが、苦しみを味わい、受け入れた。今月19日の再昇格後は3試合連続安打で、12打数6安打。「技術は何も変えていないです。日頃の行いですかね」と笑った。栗山監督は「横尾らしさを持ちながら、戻ってきてくれて良かった」と目尻を細めた。

決勝アーチを含め、プロ2度目の3安打猛打賞と奮起した。お立ち台では、この日から発売スタートした「おにぎりTシャツ」を着てPR。「本当に似ている。発売日に良い打撃が出来て、チームの勝利に貢献出来て良かった」と歓喜の余韻は増した。勝負の秋はラストスパート。「今まで全然ダメだったので。これからです」。特上の「おにぎり」を握って、勝利を実らせる。【田中彩友美】

◆レアードの現状 18日西武戦(メットライフドーム)の試合前練習で左脇腹に違和感を訴え、その日は欠場。翌19日に都内の病院で左腹斜筋肉離れ(2度)と診断され、出場選手登録を抹消された。この日は札幌ドームを訪れて首脳陣らに現状を報告。体の動作にも制限があるため、当面はチームを離れ、自宅のある札幌市内でリハビリを行う予定。試合復帰までは3~4週間を要する見通しとなっており、10月13日開幕のCS出場は微妙な状況。