オリックス福良監督辞任で次は田口新監督を軸に調整

オリックス対ソフトバンク 2回裏オリックス2死一、二塁、大城の適時打で生還した吉田正を出迎える福良監督(撮影・上山淳一)

オリックスは25日、福良淳一監督(58)が今季限りで退任することを発表した。球団は9月初旬から来季の続投を要請していたが、在任3年間の成績不振を理由に固辞。今後はフロント入りしてチーム強化に力を尽くす見込みだ。新監督は田口壮2軍監督(49)を筆頭候補に調整していくとみられる。チームはこの日の敗戦で4年連続Bクラスが確定。新体制で巻き返しを期す。

低迷が続くオリックスが、新監督のもと来季のスタートを切ることになった。球団はこの日、福良監督の今季限りでの辞任を了承したと発表した。京セラドーム大阪で会見した長村裕之球団本部長(59)は「9月の初めに監督から辞意の申し入れがあった。一貫して辞意の決意は変わらなかった」と経緯を説明。成績不振でも選手操縦術や育成手腕を高く評価する球団フロントは、懸命に説得したが翻意することはなかった。

代行監督から監督に就任して3年目の今季は、交流戦でパ・リーグ勝率1位に輝くも、後半戦は得点力不足もあり失速。投手、野手と相次ぐ主力選手の離脱も低迷の大きな原因になった。厳しい状況で采配を振るうことになった福良監督だが「勝負の世界、結果の世界だから。責任がある。選手も真剣にやっている。ファンも真剣に応援してくれている。これで来年もやりますと言うわけにはいかない」と明かした。不振でも続投を要請される異例の展開となったが、潔くユニホームを脱ぐ決意を固めた。

前日24日にロッテに敗れ、4年連続のシーズン負け越しが確定した。この日の試合は首位西武を追いかけるソフトバンクを相手に序盤から投手陣が崩壊。4連敗で、借金は今季ワーストの11までふくれ上がった。これでCS進出が完全消滅し、4年連続のBクラスが決定。福良監督は「残りホームの4試合で、お客さんに喜んでもらえるような試合をしたい」と最後まで全力で戦う覚悟だ。

球団は新たな監督人事に着手する。長村本部長は新監督について「全くの白紙」としながら、「しっかり選手とチームを愛情持って導いてくれる人」と監督像を挙げた。今後は生え抜きの主力として95年と96年のリーグ優勝に貢献し、メジャーリーグでも世界一経験のある田口2軍監督を筆頭候補に調整していくとみられる。また、同本部長は福良監督にフロント入りを要請していることも明かした。果たして新体制はどのような顔ぶれになるのか。23年ぶりのV奪回を期し、一足早くストーブリーグに突入した。【桝井聡】

◆福良淳一(ふくら・じゅんいち)1960年(昭35)6月28日、宮崎県生まれ。延岡工-大分鉄道管理局を経て84年ドラフト6位で阪急入団。93~94年に、二塁手のプロ野球記録となる連続836守備機会無失策。88、94年に二塁手のベストナイン。97年限りで現役引退。98年からはオリックス、日本ハムでコーチや2軍監督などを歴任。13年からオリックスのヘッドコーチ。15年6月から監督代行、16年から監督。現役時代は177センチ、73キロ。右投げ右打ち。

◆田口壮(たぐち・そう)1969年(昭44)7月2日、兵庫県生まれ。西宮北-関学大を経て91年ドラフト1位でオリックス入団。イチローらと鉄壁の外野陣を形成し、95年からのリーグ2連覇、96年日本一の立役者に。01年オフにFA宣言し米大リーグ、カージナルスなどでプレー。その間、ワールドシリーズに3度出場、世界一を2度経験。10年にオリックス復帰も11年限りで退団。現役時代は177センチ、77キロ。右投げ右打ち。