広島鈴木誠也リーグVに 1年分の思いが解放された

広島対ヤクルト 2回裏広島2死一塁、中前打を放つ鈴木(撮影・江口和貴)

<広島10-0ヤクルト>◇26日◇マツダスタジアム

マツダスタジアムの右翼のポジションで、広島鈴木誠也外野手(24)は優勝の瞬間を迎えた。9回表、最後のアウトを取った瞬間、右翼の定位置から両手を突き上げ、鉄壁の外野陣とハイタッチを交わし、歓喜の輪に加わった。

昨年の優勝は両肩を持たれ遅れて胴上げに加わったが、今年は胴上げの中心で力強く緒方監督を持ち上げた。1年分の思いが解放された。

1年前は優勝へのラストスパートをかけたチームの戦いを病室で見ていた。8月23日のDeNA戦で右足首を負傷。戦列離脱を余儀なくされた。悔しさにうちひしがれていた中、それまで自分がいた舞台の大きさをあらためて感じることができた。「初めて野球を見て鳥肌が立った。すごいところでやっていたんだと思ったし、何を悩んでんだと思った」。9月5日阪神戦の安部のサヨナラ本塁打には、病院内に響き渡るほどの大声で喜んだ。

東京から見舞いに来た家族の励ましも癒やしとなった。まだ右足首を固定するギプスからわずかに出た右足親指に、父宗人さんはマジックで「<」を3つのニコマークを描いた。いろんな支えがあって、前を向けた。

復帰のシーズン。シーズン序盤は欠場する試合もあったが、4番としてチームを引っ張ってきた。打率3割2分1厘、30本塁打、91打点。十分すぎる打撃成績はどうでもいい。今はただ、この瞬間までプレーできたことがうれしい。