阪神サヨナラ負け再び最下位 今日にもCS完全消滅

広島対阪神 11回、サヨナラの打球を見つめる金本監督(撮影・栗木一考)

<広島4-3阪神>◇3日◇マツダスタジアム

金本阪神が広島に延長11回サヨナラ負けを喫し、再び単独最下位に転落した。この日の敗戦で自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出がなくなり、今日4日にも完全消滅する窮地を迎えた。10月に入って3連敗で、借金は今季最多の15となった。秋風が吹くなか、残りは8試合。金本知憲監督(50)は「何とか今いるメンバーで意地を見せてほしい」と声を絞り出した。

4時間16分つないできた執念は木っ端みじんに打ち砕かれた。延長11回1死一塁。4番鈴木が振り抜いたライナーが左翼線に伸びていく…。一塁から俊足の代走上本が急ピッチで本塁を目指す…。万事休す…。主砲封じで投入された6番手岡本が打たれてサヨナラ負け…。金本監督は無表情を決め込んだ。

「選手は本当にやってくれていると思う。今の戦力で戦うしかないんですから。何とか今いるメンバーで意地を見せてほしい。全力で勝ちにいっていますけど…。やるだけですね」

必死に前を向き、バスへと引き揚げたが、この日の敗戦で自力でのクライマックスシリーズ進出の可能性が消えた。さらに、今日4日にも完全に消滅し、終戦となる瀬戸際に追い詰められてしまった。10月に入って3連敗。この日もシーズンを象徴する貧打で、勝機を引き寄せられなかった。

敗戦後、金本監督は真っ先に指摘したのは打線の沈黙だった。「あと1本…。ずっとチャンスを作っていたんですけどね。勝負どころの1本。得点圏でのね。今年ずっと続いています。勝負強さというものが、もう少し、チームに欲しいですね」。得点圏に走者を進めながら無得点に終わったイニングが4度もあった。9回以降は3イニング連続の勝ち越し機を決められず、勝負弱さが命取りになった。

投打の歯車はかみ合わない。好投していた先発メッセンジャーも5回に4連打で3失点。今年最後のマツダスタジアムで3連覇した広島の破壊力を見せつけられた。指揮官は「長打力というか、ひと振りで2点ですからね。ホームランでね…」と首をすくめた。今季のカープ戦は10勝15敗。就任1年目から3年連続の負け越しで力量差を見せつけられた。マツダスタジアムでも5勝8敗。鬼門は今年も鬼門だった。やることなすことうまく回らず、中日とはゲーム差なしの勝率2厘差で再び単独最下位に転落。今季最多の借金15を背負う。もはや死に体なのか。残り8戦は、戦う者としての意地が試される。【酒井俊作】