阪神藤原新オーナー「まずは勝つこと」/一問一答

大勢の記者に囲まれる阪神藤原次期オーナー(撮影・上田博志)

阪神は16日、大阪市内の電鉄本社でオーナー交代内定会見を行い、12月1日付での新オーナー就任が内定した阪神電鉄・藤原崇起会長(66)がチーム再建の理想像を語った。

<阪神次期オーナー藤原氏と一問一答>

-今季は最下位。悔しい状況で次期オーナーに内定。就任した今の気持ちは

本当に身の引き締まる思いでございます。ファンのみなさまは、最下位からどう脱していくのかという気持ちだとずいぶん思います。ひしひしと感じています。これから阪神のフロント、チーム、全員と話をしていきながら、新しいタイガースの形を作っていきたい。

-強化ポイントは

みんなが共通の目標を、今までもスローガンを掲げてやっている。チームとしての大きな目標は優勝しかない。それはチームの中で作ろうと。コーチ、選手が1つずつの目標を作って、その目標を1つずつ克服するために、みんなが努力する。これが王道。揚塩社長、谷本球団本部長、チームの新しい監督に一生懸命に考えていただく。それがまずは大事。ステップアップするときに大事だと思うのですが1つ上がったからと言って満足しない。大きな目標を達成するまで満足しない。

-FA、外国人、ドラフト戦略への関わり方は

球団フロント、監督、コーチの皆様の方がよほど私よりも十分、分かっておられる。方針を十分に聞かせてもらって、そのあとは、もう任せようと思っています。

-矢野新監督と話は

まだ話はできておりません。ですから、矢野さんも自分がどういうふうにしたいと考えておられるところだと思いますけど、具体的な話はこれから。

-どんな話がしたいか

矢野さんは捕手。本当に捕手の思考はどうなのか。捕手としての見識。2軍監督をやっていただき、その後も監督をしていただくわけですけれども、それがどういうふうに生かされるのか。聞いてみたいと思います。

-矢野氏を選んだ理由

金本さんと一緒に、このチームを変えていこうと1年目からコーチとして、そして、3年目はファームの監督。一緒にやってこられた。

-ファンに対して

まずは勝つこと。そして野球場へ来るとファンのみなさんとチームとが一体となって、本当に一緒に戦っている。そういうチーム作りを、矢野新監督によって成し遂げられれば、それは素晴らしいこと。

-金本阪神は若手育成に力を入れた。優勝に向けて今回も重視しているか

今のドラフトやFAとか、いろいろありますけど、どのチームも考えている。これに遅れてはならない。それは間違いない。矢野新監督はファームで今年、監督をされました。ジャイアンツと争って、優勝を勝ち取られた。まさに、若手をどう育成するか、その研さんをファームで一生懸命にしてきた。若手に対する育成の仕方を自分の体験として学ばれたし、実践された。成果に表された。それは、間違いない事実。(過去に)キャンプは高知で若手の育成を見て来ました。みんな生き生きとやってましたし、素晴らしかった。確かにケガをしたり、調子が悪化して1軍キャンプでない方もいた。例えば安藤投手。だいたいファームでキャンプをする。そうすると安藤さんの姿を見て、若い選手も一生懸命になる。ファームというのは若手を育てる素晴らしい場所。矢野新監督は、それを1年間、監督としてやってこられた。

-タイガースも変わっていかないといけないか

私も会社に入って四十数年ですが異動というのがそういう意味で、非常に必要だというのも身に染みています。それはタイガースも同じような変化をね。

-矢野新監督にチームの変えてほしいところは

矢野さんが多分、一生懸命考えている。ファームの監督として考えてこられたこと、それから全体の監督としての中で考えることは当然違う。一生懸命、いま考えていらっしゃると思うので、私たちがお話しするのは、そういう整理が終わってからでないといけない。私はそんなに野球に詳しいわけではないので、余計にそういうふうに思います。

-理想のオーナー像は

みなさん、見て来られたと思いますけど、坂井は研究熱心です。係長の頃から(雑誌の)「ベースボールマガジン」が机に置いてあって(笑い)。あの、すごいですよ。それに高校野球のあたりから全部、昔のことから覚えている。とても私は追いつきません。今からいろんなオーナーの方とお話しするとは思いますけど、取り入れたらいいというのは出てくるかもしれません。

-「解任色」が強い金本前監督から矢野新監督へ交代の中で会社の中でも一体感が欠けていた

本当に金本前監督の辞任から、昨日の矢野新監督の受諾まで、ファンのみなさん、関係者のみなさんにはずいぶんご心配をかけたと思いますし、おわびをしたい。やっぱり今回の問題は、この間の会見で、金本前監督がおっしゃった、それから揚塩社長が言った通りで私はそれだと思っております。

-若手が育つまで、チームが成熟するまで待つか

それもあります。例えば、外国人選手のスカウトもある。FAはこの頃出てくる方もないかもしれません。今のドラフト制度になって、くじ引きですわな…。私の見識ですが、どこのチームも若手育成が基本。その後は矢野さんがどういう戦略を考えるのかはあると思います。それは監督によって、こういう攻めの、あるいは守りの、これは監督の考え方だと思います。それと若手育成は何も矛盾しない。-ベテランが主力に多い。来年は勝つ方に切り替えるか、若手育成重視か

いつかは変わっていく。それは確か。ですが、来年の戦い方は、やはりフロントと矢野さんが、まずはしっかりと共通認識を持つように話してもらう。これが一番。それを私は聞きたい。