阪神矢野監督、星野氏へ「覚悟決めました」一問一答

監督就任会見で意気込みを語る阪神タイガース矢野燿大新監督(撮影・上田博志)

阪神矢野燿大新監督(49)が18日、大阪市内で就任会見に臨んだ。

一問一答は以下の通り。

-いまの率直な気持ち

矢野新監督 本当にいまはね、初めてのことですから、不安や怖さ、そういうものも、もちろんありますけど、監督をやらしていただくと決めてから、そういうものも、もちろんあるんですけど「よしやってやるぞ」という気持ちに向いていますし、これから秋のキャンプや春のキャンプ、オープン戦といくなかで不安や怖さというのを自信や期待に変わっていけるようにやっていければいいなという気持ちになっています。

-受諾決断の決め手は

矢野新監督 今年、2軍監督をやらせていただきまして、僕は選手に「チャレンジしようぜ」「いま三振しても次の打席で取り返せばええやないか」と、投手にも「打たれても次の打者を抑えればいいじゃないか」と、終わったことに引っ張られるんじゃなくて、みんな前向いて、次の打席で打てばいいし、抑えればいいし、日々、そういうメンタルの部分を選手に伝えてきたんですけど、そう言っている自分が今回、このような話をいただいて逃げるというか、やらないと選択をしたときに、選手に対して、僕が言ってきたこともウソというか、そういうことになってしまいますし、僕もチャレンジして、挑戦していくべきだなと思ったのが一番大きいですね。

-1軍監督になってキャッチフレーズやキーワードはあるか

矢野新監督 まあ、変わらないんですけどね。いまはちょっと時間もまだないですし、いままでやってきた「超積極的」、「あきらめない」、「誰かを喜ばせる」っていうのは、これは僕がやっていくなかで常に大事にしていきたいものだと思っていますし、基本的に、それが変わるとか、そういうことはないと思うんですけど、キャッチフレーズとしては、そのままになるのか、これからまた自分でも考えて、どうしていくのかっていうのは考えたいと思います。

-どんなチームを目指していきたい

矢野新監督 それは2軍でも言ってたんですけど「ファンを喜ばせる」そういうチームを作りたいです。それができれば、もちろん選手はいいプレーをして、フロント、コーチ、スタッフ、みんなが一丸となって達成できるものだと思うので「ファンを喜ばせる」というものをしっかり持ったチームにしていきたいなと思います。

-ファンを喜ばせるために大切にしたいところは

矢野新監督 僕は前に向いたプレーが好きなので、タイガースファンの人も消極的なプレーや引いたプレーは見たくないと思いますし、前にどんどん選手たちが攻めていって、そしてうれしいときは思い切り喜んで、負けた時は思い切り悔しがって、そういう感情の出るようなことがグラウンド上でしっかり当たり前のように体のなかからあふれ出て、そういうものが伝えられれば、ファンの人にも分かってもらえると思いますし、そのなかで勝ったり、優勝というのができていければ、もちろんファンの人は、もっともっと喜んでくれるので、そういうような形で前を向いてやっていけたらと思っています。

-理想の監督像は

矢野新監督 まあ、いろんな監督にお世話になりましたし、今年、2軍でも自分の口では選手に伝えているんですけど、この監督に教えてもらったことだなとか、こういう監督に指導してもらったものだなっていうのは僕の口から出てはいるんですけど、でも、いろんな方から刺激を受けて、教えてもらって、勉強させてもらってきました。それをこれからも参考にさせてもらっていくと思います。でも、僕には僕にしかできないものというのがあると思うので僕らしく、参考にさせていただきながら、自分らしい監督っていうんですかね、それを作り上げていければと思っています。

-亡くなった星野さんにはどう報告するか

矢野新監督 本当に生きておられたら、いろんな話を相談というか、してきたと思うんですけど、僕も覚悟を決めましたので(星野)監督には「覚悟を決めました。精いっぱいやってきます」と、そういう報告をできればなと思います。

-金本前監督への思いはどうか

矢野新監督 そうやって質問されるとあれなんですけど、大変、申し訳ないんですけど、これに関しては僕は大学も一緒にやって、タイガースでも一緒にプレーして、監督、コーチとしても一緒にやってきた間柄で、本当にいろんな思いがいまあります。それを皆さんにしゃべるっていうよりは、胸の内に秘めて、本当に、こう戦っていくというか、やっていくというのが、僕は一番いいと考えていますので、申し訳ないですけど、そのようにしていただければと思います。

-現状のタイガースに一番必要なものは何か

矢野新監督 数字的なことを言えば、もちろん打てること、得点を上げることはチームの課題にはなるとは思うんですけど。僕は闘争心というか、前に向かっていくというか、そういう気持ちの部分。すごくチームというのは変わる可能性を持っていると思うので、それは本当に今年の2軍で自分でも選手から逆に教えてもらったことでもあったので、チーム全員でというか、前に向かって「やったらどうしよう。失敗したらどうしよう」っていう気持ちよりも「どうやったら打てるんやろ、どうやったら抑えられるんやろ」と、どうやったらどうやったらと前に前に気持ちを持って行ってやるようなことが今のチームには必要。そういうふうにやっていければ、躍動感とか、ファンのみなさんに何か伝わるような、プレーにつながっていくと思うので、そういうような部分が僕は必要になるのかなと思っています。

-2軍監督をふまえて、楽しみな若手はいるか

矢野新監督 きれい事でも何でもなくて、僕は全員だと思っています。2軍でも、まだ試合にも出られていませんでしたけど、横田も含めて。横田自身もベンチで試合には出られないけど、ベンチで一番声を出してやっている姿も見てきましたし、今年、2軍からはい上がっていった選手も数多く見ていますし、どの選手にも可能性は大きくあると信じています。僕らの指導力というのも、もちろんありますけど、誰かが手を挙げるのではなくて、やっぱりチーム全体で競争が激しくなるというのが、本当にチームが強くなるものだと思っているので、本当に全員にチャンスはありますし、全員をなんとか良くしたいっていうのが、僕の思いです。

-広島が黄金期を迎えている。一番の差はどこか

矢野新監督 先ほどお話しさせてもらったように、全体的な数字を見ると、得点、攻撃力っていうのが、本塁打も盗塁数も打率も、そこは大きな差が現状あるかなと思います。でも、今年はうまくいかなかったですけど、本当にタイガースには楽しみな選手がいっぱいいますから、そういう選手たちが力をつけて、乗っていければ、そういう部分も上がっていくんじゃないかなと思っています。

-伝統の一戦、巨人戦についての考えは

矢野新監督 それはもうタイガースファンの方が一番喜んでくださる試合になると思う。そこはやっぱり僕たちもその伝統を受け継いでいって、全力でぶつかっていきますし、常に広島がいま、強い時代に入っていますけど、そこにジャイアンツは間違いなくライバルとしてあるチームなので、そこは意識して盛り上がるというか、そういうような形で思い切ってやっていきたいなと思っています。

-ドラフトもある。どのような補強をやりたいか

矢野新監督 それはもう外国人もね、打てる選手が来てくれるに越したことはないですけど。でも、僕が思っているのは、いる選手をどうするかっていうのが僕の大きな仕事の部分ではあると思うのでね。球団と補強の部分はもちろん相談していますし、前には進んでいると思う。何か現状で僕から、大きな要望という感じではないですね。

-ドラフトについては

矢野新監督 ドラフトは本当にすごく大事になってくると思っています。僕も中日から阪神に来ましたけど、やっぱり阪神ファンの人が求めているのは生え抜きの4番、エース、レギュラーというのが一番望んでいるところだと思います。やっぱり、育てる、生え抜きというのは大事になるので、そういう部分で、そういう中心になっていくような選手が来てくれればうれしいですし、あとは特徴のある選手、足が速いとか、肩が強いとか、遠くに飛ばせるとか、何となく全体がいいなという選手よりもそういう選手をとってもらった方が、現場の僕たちも指導の方法というか、そういうものも出てくるとは思うので、希望としてはそういう部分はあります。

-監督自身のくじ運は

矢野新監督悪いとは思ってませんね(笑い)。新聞紙上では僕が引くようになっていますけど(笑い)。その責任において、もしくじになれば、選択確定を引けるように頑張っていきたいと思いますし、くじ運が悪いとは思っていません。

-ファンにメッセージ

矢野新監督 大変、急なことでタイガースファンのなかにも僕が監督になるというところで、戸惑いや不安、そういうものがあると思いますけど、僕が一番やりたいことは、タイガースファンの人を喜ばせるということなので、そこに向かって自分の全力を出してやっていくっていうのを阪神ファンの人に誓って、楽しみにしてもらえる球団、チームを作っていけるように、精いっぱい頑張ります。

-金本監督が3年間やってきた中で、あらためて若手育成の考えは

矢野新監督 それは大きな課題でもありますし、今年、2軍監督をやらしてもらって、ウエスタン・リーグを一通り、見させてもらいましたけど、本当にうちのチームには楽しみな選手がたくさんいます。それは本当に他の球団と比べても負けてないっていうのは僕も自信を持って言えますし、その選手たちが力をつけていったら、どんなチームになるのかなっていう楽しみもすごく持てた年だったので。金本監督から引き継ぐ形にはなりましたけど、それはチームとして本当に中心に育成というのはある部分で、先ほどと重なりますけど、それが一番タイガースファンの方が、喜んでくれる部分だと僕も思っているので、そこは大事に自分のなかの中心に置いて、やっていきたいなと思っています。