巨人原監督「今までのナカジ貫いて」開幕1軍を約束

巨人原監督(左)とグータッチする中島(撮影・たえ見朱実)

第3次原政権初のグータッチで迎え入れた。オリックスから自由契約となった中島宏之内野手(36)が22日、巨人への入団が正式に決定し、会見に臨んだ。1年契約で年俸1億5000万円(金額は推定)、背番号は「5」。同席した巨人原辰徳監督(60)も加入を大歓迎。09年の第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でともに戦い能力を熟知する実力派打者へ、早くも“開幕1軍手形”を渡した。

中島のこわばった口もとが和らぎ、原監督の言葉に熱がこもる。2人並んだ会見は、心地よい空気感が充満した。自由契約を選んだ今オフ。巨人入団への決め手はシンプルで明確だった。

中島 原監督の言葉。それだけです。「良い時も悪い時も一緒に助け合って戦おう。一緒のタイミングで入団して、一発やってやろうぜ」という思いを伝えていただいたので、それだけで決めました。

3度目の監督を引き受けた指揮官も、余すことなく思いの丈を伝えた。

原監督 選手として強さがある。同時に自己犠牲という部分においてしっかりできると。2つの形のものを出せる選手はそうそういません。そういう意味では必要なパーツであると。

昔かたぎで実直な人間性も、ともに戦うための条件に合致する。

原監督 武骨、不器用な選手という部分で魅力を感じている。彼は自分の思っていることの15%くらいしか言えてないと思う。どちらかというと結果、行動、プレーを見てくれという武骨さは魅力を感じている。

「ナカジ」の愛称で日米を股に掛けて野球道に精進してきた「侍」が、伝統ある巨人軍のユニホームに袖を通した。日本でのプロ通算16年間で通算1759安打。大台まで241安打と迫る。通算打率2割9分6厘の安定感は実力者であることの証明だ。新天地での戦いを中島は「常に勝たないといけない。その中で毎日、戦う球団だと思っている」と受け止め「目標は、チームのために1つでも力になると。1勝でも勝つために貢献したい」と言った。

指揮官は中島の発言にうなずき、時折、視線を送った。歯切れよく“開幕1軍手形”も授けた。

原監督 あまり力を入れず、力まずにね、今までの「ナカジ」というものを貫いて戦ってくれと。オープン戦の中で結果があまり芳しくないという時でもコンディションがいいということならば、必ず1軍からスタートする。

合わせた両拳で頂点を目指す戦いを誓い合った。【為田聡史】(金額は推定)