広島丸「しっかり考え決断」ファン残留コールに複雑

丸(手前)はカープファン感謝デーに参加し、スタンドの声援に手を振って応える(撮影・上山淳一)

広島から国内フリーエージェント(FA)宣言した丸佳浩外野手(29)が、強烈な「残留コール」を受けた。23日、マツダスタジアムで行われたファン感謝デーに参加。スタンドには特製のプレートやメッセージボードが掲げられ、大歓声とともに残留を望む声が飛んだ。前日22日にはロッテと初交渉し、巨人とは近日中に交渉するとみられる。今オフの主役は、揺れ動く思いも正直に吐露した。

FA宣言後、丸が初めて広島ファンの前にユニホーム姿で現れた。本拠地でのファン感謝デー。表彰式に登場した丸に、スタジアムを埋めたファンからこの日一番の歓声が飛んだ。「残って~!」という声だけでなく、特製のプラカードを掲げる人や残留を願うメッセージボードを手にした人も。両手を上げて応えた丸は「素直にうれしい。迷惑や心配をファンの皆さんに現状かけてしまっているので、結果はどうであれ、しっかりとした決断を1日でも早くご報告できたらなと思います」と複雑な表情を浮かべた。

前日22日に都内でロッテと交渉を行った。「熱意を感じましたし、一緒に千葉を盛り上げようという話もいただきました」。6年総額25億円規模の好条件も提示された。心は揺れる。一夜明けたこの日は、残留を願うファンの熱が伝わってきた。「当然、僕としても残留したいという思いもありますし、ただ僕1人で決めることではない。(1日も早くと)矛盾してしまうかもしれないですけど、しっかりと考えて決断したい」。イベント最後には守り慣れた中堅席を選んでサインボールを投げ入れた。

近日中に巨人との交渉が行われる。巨人の熱意も、条件面や待遇面に表れる。すでに広島との再交渉を済ませており、3球団目の巨人との交渉後に去就を決断する可能性も「あります」と言った。「悩みというか、迷いというか、そういうものから逃げずに考えていきたい」。残留か、移籍か-。丸の動向が注目される。【前原淳】