中日吉見2年1億8000万円 FA行使「悩んだ」

2年契約総額1億8000万円で契約した中日吉見

中日吉見一起投手(34)が25日、ナゴヤ球場で契約更改交渉を行った。今季国内FA権を取得。シーズン終了後から数度、西山球団代表と話し合いを持ち、FA権は行使しなかった。この日、2年契約総額1億8000万円で契約を結んだ。

「正直、(FA権行使は)悩んだ。環境を変えてやりたいな、とも思った。ただケガをしていた自分をドラフト1位(希望枠)で獲得してくれた。いいときもあり、苦しいときもあったが、いい契約をしてくれてきた。恩返しができてない」。プロ入り13年かけてつかんだFA権に頭を悩ませた。最後は「自分1人では決められない。1番は家族」と、家族会議を経て中日残留を決めた。

来季は14年目、アラフォーに突入する。「心を鍛えたい。マウンドでは、最後は気持ち。どれだけ1球1球に思いを込め、腹をくくって投げられるか。1年間2000、3000球投げるなら、すべてそうしたい」。6月29日、巨人戦(ナゴヤドーム)。1点リードの6回2死一、二塁で打たれた一打を悔やむ。「気持ちが入ってなければ、いいところに球が行っても打たれる」。田中俊に痛恨の逆転2点三塁打を許した。降板後にチームがサヨナラ勝ちし、勝敗はつかなかったが、脳裏に焼き付いた。

昨年から地元大阪で自主トレを行うようになった。「それがはまった」。規定投球回に約18イニング足りなかったが手応えを感じた。来季も地元でスタートを切る。「レベルアップしなくちゃいけない。ケガもしないようにしたい」。与田新監督はV奪回を掲げる。優勝経験を持つベテラン右腕が、来季は自身の背中で後輩たちをけん引する。(金額は推定)