西武7位佐藤、北海OBの1軍デビュー先陣切る

母校北海を訪れた174センチの西武ドラフト7位、富士大・佐藤は西武育成ドラフト2位で198センチの後輩、北海大窪と並び背伸びをする(撮影・永野高輔)

“チーム北海”で競り合いレベルアップする。北海出身で西武ドラフト7位の富士大・佐藤龍世内野手(21)が26日、指名後初めて、札幌市内の母校を訪問した。西武には来季、佐藤と今秋指名された大窪士夢投手(18)が加わり、同校OBが4選手に増える。高校時代同期の戸川大輔外野手(22)ら、先にプロ入りした2選手は1軍未出場とあり、まずは“先輩”を追い抜き1軍デビューすることを、第1の目標に掲げた。

心を磨き上げた母校に戻り、あらためてプロへの意気込みを口にした。この日朝、佐藤は職員室に集まった教員を前に、あいさつ。少し緊張した表情で、懐かしい空気に触れ「ここでの3年間がなければ、大学での4年間もプロに行くこともなかった。晴れ晴れとした気持ちになれた」と振り返った。

高校での屈辱がエネルギーになった。北海2、3年の夏、ともに札幌地区初戦で敗れた。道東の厚岸町から札幌の強豪校に進み、必死で練習を続けても3年間、甲子園には縁がなかった。富士大では、3年春に首位打者と本塁打王、同年秋に打点王と一気に開花し、プロへの道を切り開いた。「北海で悔しい思いができたからこそ、大学で頑張れた。ここでの経験を生かし、プロでもはい上がっていきたい」と前を向いた。

“同門”ダービーを制す。西武には来年から佐藤、大窪が加わり、既に在籍している川越誠司外野手(25)、戸川を含め北海OBが4人となる。先にプロ入りした2選手は、いまだ1軍出場がなく「右も左も分からない世界で、先輩も同級生もいるのは心強い。その中で、負けずに先に1軍で活躍できるようにしたい」と意気込んだ。

現在、故郷北海道でのお礼行脚の真っ最中。20日に故郷厚岸に入り、21日からは町長や、父親がカキ漁師をしている関係で、漁協組合長にも、あいさつに回った。厚岸初のプロ野球選手として「子どもの頃、テレビですごいプレーを見て夢を持った。今度は自分が活躍して厚岸に恩返しをする番」と気を引き締めた。

目指す選手像は日本ハムやオリックスでプレーし、今季限りで引退した小谷野栄一氏(38)。「ガッツある守備と、ここぞで結果を出せる打者になりたい」。今日27日には富士大に戻り、練習を再開する。北海道で英気を養い、いざ、プロ入りに向けた本格的準備に取りかかる。【永野高輔】

◆主な北海OBのプロ野球選手 現役選手は日本ハム鍵谷陽平、DeNA阪口皓亮の両投手。引退選手ではヤクルト監督を務めた若松勉のほか、元中日の谷木恭平、元日本ハムの村井英司、元ロッテの佐藤兼伊知らがいる。元日本ハムで社会人野球・室蘭シャークス所属の瀬川隼郎、高校野球の指導者に転身した遠田誠治、有倉雅史もOB。