広島丸セ4人目2年連続MVP FA進展「ない」

会見でトロフィーを手にする広島丸(撮影・山崎安昭)

<NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD>◇27日

今季のタイトル獲得者らを表彰する「NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」が27日、都内で開かれ、広島丸佳浩外野手(29)が2年連続でセ・リーグ最優秀選手に選ばれた。セで2年連続の受賞は藤田、王、ラミレス以来4人目で、巨人以外の球団からは初の快挙となった。

権威ある晴れやかな表彰式の大トリを丸が2年連続で飾った。パ・リーグ最優秀選手の西武山川と壇上に並び「来シーズンも取ることは難しいと思いますが、またこの場に立てるように頑張ります」と胸を張った。

広島のリーグ3連覇に大きく貢献した。打撃3部門すべてでリーグ上位を争う好成績を残し、130四球を選んでの出塁率4割6分8厘ではタイトルを獲得した。それでも「今年は離脱した期間もあったので、悔いが残るシーズンでもありました」と話した。高みを目指す向上心が、2年連続受賞につながった。

シーズン序盤に右太もも裏筋挫傷で約1カ月の離脱がありながら、本塁打と打点はいずれもキャリアハイの数字を残した。「要因を探しても分からない部分がまだある。自分のスイングで捉えられる確率が上がったのは本塁打が増えたひとつの要因だと思う」。貪欲に追い求める打撃は年々研ぎ澄まされている。

長いプロ野球の歴史の中で、巨人選手以外のセ・リーグ2年連続最優秀選手賞受賞は初の快挙となった。しかし、そんな栄誉にもおごることはない。「元もとホームランバッターじゃない。自分が理想とするスタイルを忘れないように、来年もやっていきたい」。あくなき向上心とともに、足もとを見つめる冷静さ。だからこそたどり着けた境地かもしれない。

リーグを代表する強打者のFAに、ロッテと巨人が獲得の意思を示し、直接交渉はすでに終わっている。残留交渉の広島を含め、3球団間で丸の思いは揺れる。この日、進展は「ない」とだけコメント。28日は都内に残り、明日29日も都内でゴールデングラブ賞の表彰式に出席する。多忙の中でも今月中には結論を出したいところ。イチロー(オリックス94~96年)以来の3年連続最優秀選手(セでは初)を狙う来季、丸はどのユニホームを着ているのか。【前原淳】

◆MVPメモ 丸が昨年に続きMVP。MVPの連続受賞は08、09年ラミレス(巨人)以来で、セ・リーグでは藤田元司、王貞治(4度)、ラミレスに次ぎ4人目。セで巨人以外の選手は史上初めて。広島の選手が2度受賞したのは山本浩二(75、80年)に次いで2人目となった。