広島大瀬良、来季菅野超えだ 投手2冠もまだ通過点

セ・リーグ最多勝利投手賞など2冠の広島大瀬良(左)は壇上で喜びを語る。右は巨人菅野(撮影・山崎安昭)

<NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD>◇27日

菅野超えじゃ! 広島大瀬良大地投手(27)が27日、都内のホテルで行われた「NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」に出席。今季はチームの大黒柱として投手陣をけん引し、最多勝と最高勝率の2冠に輝いた。入団5年目で初めて投手主要タイトルを獲得。新たな決意を胸に、来季はさらなる飛躍を狙う。

そうそうたる顔ぶれがそろうステージに、大瀬良が上った。新人王を獲得した14年以来の晴れ舞台に「帰りたいです」と緊張した様子を見せていたが「また違った立ち位置でここに来られたかなと思います」と、最多勝と最高勝率の投手2冠王として堂々と胸を張った。

丸が2年連続で選ばれた最優秀選手賞でも2位の得票数を獲得したように、広島3連覇の立役者の1人と言える。投手陣が苦しむ中で開幕からローテーションを守り抜き、リーグ最多15勝を挙げた。CSや日本シリーズではいずれも初戦先発を託され、好投を演じた。今やコイのエース候補筆頭でもある。

奪三振はリーグ2位、防御率は同3位に終わった。いずれもトップは巨人菅野だった。今季、菅野との直接対決は3試合で1勝1敗も、力の差を痛感させられた。「日本を代表する投手。そういった方といろんな争いの中で、成長させてもらえるものが多かった。今後もしっかり争える投手になれるように毎日過ごしていきたい」。競った日々は大きな刺激であり、高みを目指すエネルギーにもなった。

すべてを出し尽くした1年ではなかった。「シーズン後半は良かったなと思える試合があまりなかった。もっといい投球ができたんじゃないかというのはあった」。9月以降は6試合に先発しながら1勝2敗と勝ち星を伸ばすことができなかった。見つかった課題が、さらに強くなる手応えとなった。

投手2冠王で立った晴れ舞台も、まだ通過点と言い聞かせる。いつかは菅野と渡り合い、球界を代表する投手となるために。「1人のプロ野球選手として、高みを目指すのは大事だと思いますし、そういう気持ちを持っていないとダメだと思う。もっともっと実績を積み重ねていくことができれば、勝っていかないといけないと思うかもしれない。そこは積み重ね。1歩1歩だと思います」。新たな称号を手に、また強くなる誓いを立てた。【前原淳】