日本ハム吉田輝星が伝説追う、秋田に輝星の名を刻む

金足農の県民栄誉章顕彰式で記念メダルを首にかけて仲間とおどける日本ハム吉田(右)(撮影・鎌田直秀)

日本ハムにドラフト1位指名された金足農・吉田輝星投手(17)が「新人王」と「輝星スタジアム命名」を目標に掲げた。28日、秋田市内で同校野球部に贈られた「秋田県県民栄誉章顕彰式」に出席。秋田県出身のプロ野球選手で、同章を受章した山田久志氏(70=日刊スポーツ評論家)や落合博満氏(64)の背中を追い、記録にも記憶にも形にも残る活躍を誓った。

甲子園でのカナノウフィーバーが再燃した。金足農のユニホームを着た吉田は「キャ~輝星く~ん」「すてき~、格好良すぎ~」と黄色い声援を浴びながらナインの先頭で壇上に上がった。県民栄誉章は87年に3冠王の落合博満氏が、89年には通算284勝の山田久志氏が受章。子どもの頃から憧れた大先輩に続く決意を言葉にした。

吉田 2人の方も受章されたことを先ほど聞き、自分も強い思いを持って、やらなくてはいけないと、あらためて感じた。同じ章を頂いて、活躍する通過点を通過できた。次はプロで頑張って、自分の力でもう1度もらいたい。1年目から活躍して新人王を目指したいし、球場に名前がつくような活躍をしたいとも強く思っています。

今夏の秋田大会中「歴史に残るような投手になりたいんですよね。教科書に載るような人ってすごいですよね」と、つぶやいたことがあった。プロで活躍した上で「輝星スタジアム」命名となれば、長嶋氏や稲尾氏に並ぶレジェンドの仲間入りを果たす。秋田・能代の「山田久志サブマリンスタジアム」は思い出の地。憧れは募る。

活躍できる基盤も着々と築いている。「カナノウのユニホームを久しぶりに着ましたが、ピチピチできついです」。今夏以降、筋力トレーニングの成果もあって、体重は約4キロ増の85キロまで増量。胸、背中、尻を中心に筋肉量も増えているが「まだ脂肪も少し付いちゃっているので、まずは落とすことも大事」と苦笑い。来春の新人合同自主トレには“ムキムキ輝星”で栗山監督にアピールする。

日本ハムのユニホームは1サイズ大きいものを用意してもらった。「ファイターズのユニホームは戦う服。高校までの楽しむものとは違う。着ると、強い意志が芽生えます」。一般公募で会場に集まった1050人の輝星ファンにも「北海道から熱いニュースを届けます」と約束。仲間や地元秋田の声援も力に変え、プロでの戦闘モードに突入した。【鎌田直秀】

◆選手名がついた主な球場 82年に北海道旭川市の花咲スポーツ公園野球場が「スタルヒン球場」と愛称を命名したのが始まり。近年では13年に長嶋茂雄氏が千葉県佐倉市の市民栄誉賞を受賞した際、岩名球場が「長嶋茂雄記念岩名球場」に変更。アマ球界では早実の王貞治記念グラウンド(東京都八王子市)などがある。