加藤和子さん 博多華丸命名ホークスと結婚した女?

球団オフィシャルメディアリポーターの加藤和子さん

<支えタカとよ:球団広報部オフィシャルリポーター・加藤和子さん>

ソフトバンクを支える人々にスポットを当て、随時掲載する「支えタカとよ」。今回は球団広報部オフィシャルリポーターの加藤和子さん(40)です。

  ◇  ◇  ◇

11月27日に40歳の誕生日を迎えた。加藤さんは「もう40歳か…自分が思っていた40歳とは違いますね」。選手たちの身近な表情を伝える役目のオフィシャルリポーター。気づけば年上の選手は誰もいなくなっていた。もとは地元テレビ局のスポーツ番組のキャスター。「初めて取材したのが入団前の和田投手だったんです」。2年間務めた。

ソフトバンク1年目のシーズンが終わった05年秋、球団内から情報が発信できる「オフィシャルメディア」を作ることになり、立ち上げから球団入り。来季は14年目のシーズンになる。

ベンチ裏や選手サロンなど、通常のメディアが報じない場所から、動画や写真で選手たちの素顔を撮影し毎日、ファンへ届けている。「最初の5年は受け入れてもらうのに必死でした」。男だけの空間に当時20代の女性がウロウロ…。大学時代までバスケットボール部だった体育会系女子の加藤さんが堂々と振る舞っていたこともあり、受け入れられていった。

ホークスのジャージー姿が仕事着だ。ここ2、3年で選手の姉から選手の母のような感覚に変わってきた。「選手のお母さんの年も若い。入団から引退までたくさんの選手を見てきた」。実際は3歳年下のサファテからは「オレの妹」と呼ばれている。

登場曲など選手のリクエストを受け付ける窓口役でもある。邦楽だけでなく洋楽、韓流、CMソングやアニメソングまで若い選手たちと同じ目線で音楽を聴き曲を用意する。流行にも敏感だ。ネットやSNSにも乗り遅れない。撮影した動画を携帯電話で編集し、すぐにアップする。

「私、日本一ビールかけに参加したリポーターかもしれませんね」。ビールかけの後には毎回「和子の部屋」という動画番組がある。広島での日本一後には寒くてビールかけを途中退席した柳田に「最後の仕事を放棄していましたよ。締めのあいさつ。どこに行っていたんですか」。加藤さんしかできない質問に柳田も「フロで温まっていました」と照れ笑いだった。

先日、お笑い芸人の博多華丸から「ホークスと結婚した女」と名付けられた。どの選手にも同じように接するからこそ、誰からも信頼されてきた。「できる限りは、続けていきたい。あの人がいないとダメだと思われるように」。ロッテの本拠地ZOZOマリンのウグイス嬢・谷保恵美さん(52)のように、加藤さんもソフトバンクの歴史を見守り続けるレジェンド女子だ。【石橋隆雄】

ソフトバンク和田(加藤さんについて)「ずっと変わらないですね。人をひいきすることも、変な目で見ることなく全員をひとりの選手として隔たりなく、ちゃんと見てくれていますね」

◆加藤和子(かとう・かずこ)1978年(昭53)11月27日生まれ。福岡県出身。玄洋高から福岡大。大学では体育学部。小学3年からバスケットボールを続けた。卒業後はタレント活動し、02年12月からFBS福岡放送のスポーツ番組「夢空間スポーツ」の番組キャスターを2年間務める。05年秋から球団オフィシャルメディアの立ち上げに参加。07年から正式なリポーターとなる。正式名称は「広報室 球団広報部オフィシャルリポーター」。オフは選手のトークショーなどの司会も行う。身長163センチ。