広島大瀬良に危機感 強敵・丸封じに生かすその教え

広島空港で行われた広島V旅行の出発セレモニーで笑顔を見せる、左から九里、大瀬良、会沢

広島大瀬良大地投手(27)が、V旅行先のハワイでトレーニングを継続する考えを示した。2日、広島空港発のチャーター便で出発。機内持ち込み荷物の中にグラブとボール、トレーニングシューズを忍ばせていた。大黒柱だった丸佳浩外野手(29)が巨人にFA移籍することになり、危機感もあらわ。「丸ロス」を埋めるためにも、ストイックに来季への準備を進める。

本気も本気、超マジモードだ。大瀬良は、V旅行先ハワイのトロピカルムードに浸ることなく、トレーニングを継続する。「休んだり、リフレッシュしたりということも大事ですが、100%そういう気持ちにならない」。一昨年のV旅行でも体を動かしたが、今回はそれ以上の意気込み。「向こうでキャッチボールをするつもり。ジムもあるし…」と話した。

丸の巨人移籍に危機感を募らせていた。ハワイ出発前日、ユーチューブで丸の動画に見入った。外角の変化球を軽々とスタンドインさせる技術とパワーを再認識した。「いいときは手がつけられない。ベンチから見ていて、何投げても打つ」。来季から対戦することになるが「当てる、というくらい(内角に)突っこんでいかないと抑えられない」と話した。

丸から受け継いだプロ魂に、背中を押されてもいる。「いつかの秋季キャンプで、丸さんがものすごい資料をドンと机の上に置いていたんです」。シーズン中にメモした相手投手1人1人のデータを、1球1球丁寧に整理していた。練習でクタクタになった体にむち打ち、頭をフル回転させていたのだ。「次の年に向けた準備を、もうしていた。プロフェッショナルとはこういうもんだと思い知らされた」と振り返る。

体のケアやトレーニングのため早めにマツダスタジアムに入ると、丸と顔を合わせることが何度もあった。マッサージ台にうつぶせになりながら、多くのアドバイスをもらった。猛烈に肉体を鍛え、手入れし、頭も使う。そんな先輩の背中を追ったことが、最多勝利投手のタイトルにつながったと信じている。最強の敵・丸を封じるため、4連覇のため、大瀬良は南国ハワイで動き続ける。【村野森】