広島松山5番死守、4番鈴木と「丸ロス」の穴埋める

浜辺を歩く広島松山

【ホノルル(米ハワイ州)5日(日本時間6日)=前原淳】誠也と新タッグや! 広島松山竜平外野手(33)が5番の座を死守して、若き主砲とのコンビで「丸ロス」払拭(ふっしょく)を誓った。今季初の規定打席到達を通過点と捉え、オフは定評ある技術力に加え、長打力に磨きをかける。地元鹿児島からバックアップを受ける充実のトレーニングで、コイの超主力へと進化する。

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FA権を行使せずに広島残留を決めた松山は、リーグ3連覇、個人的にも規定打席初到達と充実したシーズンの疲れを南国ハワイで癒やしている。ただ、巨人へFA移籍した丸が抜ける来季の打線における自らの役割に対する考えは深まっている。空席となる3番候補の1人。緒方監督も「大きいのを打てる選手を入れてもいい」と構想を描くが、松山は「誠也のあとは結構面白い」と5番死守をきっぱりと宣言した。「2人とどっちと勝負してもダメという状況を作れれば、すごく相手も怖いだろうなと思う」。丸が抜けた穴は4、5番で埋める。V旅行中にその思いは強まった。

大きな得点源と期待されるだけに、今オフは持ち味である長打力に磨きをかける。例年1月の始動は地元、鹿児島・大崎町で行う。今季は自身最多124試合に出場し、打率は初めて2年続けて3割を超えた。その好結果につながった走り込みとウエートトレーニングは、質量ともに増やす。恩返しの意味も込めて13年から続ける地元での自主トレに大崎町も全面協力。期間中に使用する町内のトレーニング施設は年々、器具が増え、今オフもアップデートが見込める。練習の効率化を図れる上、砂浜でのダッシュも増やす予定。ベスト体重95~96キロを維持しながら、筋肉量を上げるプランを描いている。

もともと打撃技術は高い。今季初めて到達した規定打席数については「500打席は普通に立たないといけない」と納得していない。課題は安定性アップとスロースタートからの脱却にある。今年は4月まで打率は2割7分とまずまずの滑り出しも、昨年は2割を切った。「春先は100%の状態を作るのが難しい」。自主トレで万全の状態を整え、2月のキャンプから早めの調整を練っていく。

若き4番とともに、新たな強力ユニットを形成することが「丸ロス」克服につながると信じる。広島打線に少ないパワータイプ。中軸から絶対的な主力となるため、武器に磨きをかける。