清宮、ケガで基礎学んだ1年 今季王&松井超え狙う

プロ2年目を迎え心境を語る清宮(撮影・たえ見朱実)

<新春インタビュー>

日本ハム清宮幸太郎内野手(19)にとって、今年は2020年に行われる東京オリンピック(五輪)出場への土台となる大事な年だ。本塁打数の日本記録更新という大きな目標を掲げてプロの世界へ飛び込んだ18年は、53試合で打率2割、7本塁打。ルーキーイヤーに学んだ経験を2年目にどう生かし、目指す五輪代表入りにつなげるのか。思い描く姿を聞いた。【取材・構成=中島宙恵】

高校通算111本塁打を引っさげてプロ入り。期待の大きさに比べ、1年目で7本塁打は、やや物足りない数字だったかもしれない。

清宮 一番感じたアマチュアとの差はプレーの細かさです。すべてが0・1ミリの世界。特に僕は、走塁や守備で意識が変わった。だんだん良い癖が付いてきたと思う。例えば、走塁でいいシャッフルが出来るようになってきた。

野球の奥深さを目の当たりにし、足りないものを痛感した。昨年2月の春季キャンプで、侍ジャパンの稲葉監督からかけられた言葉の意味を日々、かみしめた。

清宮 アリゾナで稲葉さんにお会いした時、僕は指をケガしていてバッティングができず、練習は守備と走塁だけだった。「今やっていることは地味だけど、そのうち絶対に大切になるから、我慢してやっておけよ」と言ってくださって。その意味がシーズンを戦っていく中でわかった。

右手指の骨挫傷で春季キャンプから出遅れ、開幕直前には限局性腹膜炎で入院した。5月2日、待望のプロデビュー戦で二塁打を放つと、ドラフト制後(66年以降入団)の新人では最長の7戦連続安打をマーク。5月9日オリックス戦では初本塁打も飛び出した。

清宮 手応えを感じたのは4本塁打目。楽天戦(8月25日)、札幌ドームで初めて打った本塁打です。良い場面で打てたし、結果的には引き分けだったけど猛打賞だった。まあ…でも、ほとんど負けてるんで。僕が打った試合は(笑い)。結局、昨年は札幌ドームでヒーローインタビューをしていない。今年は、それも目標です。

早実OBで尊敬するソフトバンク王球団会長の868本塁打更新を目指しスタートしたプロ人生。1年目の本塁打数で並び、2年目はそれ以上を見据える。

清宮 王さんは17本、松井秀喜さんは20本。人と比べるより、自分とどう向き合うか。でも、わかりやすい目標ではある。もちろん、それは超えたい。

2年目の今年は、3月に侍ジャパンの親善試合、11月にはプレミア12と、20年東京五輪へ向けたチーム作りが本格化する。

清宮 誰しもが日本代表に入りたいし、東京五輪に出たいはず。僕も、もちろん目指しています。まだまだ、チャンスはある。そのためにも、すべてにおいてレベルアップしないと。最後リーグ優勝や日本一になった時に、僕が中心にいたい。そういう活躍ができれば。