鈴木誠也1の決意 前田でも山崎でもないスタイルへ

色紙を手にガッツポーズする広島鈴木(撮影・栗木一考)

広島鈴木誠也外野手(24)が日刊スポーツの新春インタビューで、主軸としての誓いを口にした。右足首の負傷から復帰した昨年は自己最多30本塁打を放つなど、打率3割2分、94打点の好成績で3連覇に大きく貢献した。3年連続で安定した結果を残し、主力としての自覚が芽生える。引退した新井氏やFA移籍で丸が抜ける新シーズンへ、若き4番が決意を語った。【取材・構成=前原淳】

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-新年あけましておめでとうございます。4連覇がかかる2019年

鈴木 おめでとうございます。毎年「勝負の年」と言っていますが、「勝負の年じゃない年」はありません。今年も勝負の1年。成績を残さなくていい年なんてありませんから。

-昨年オフに新井氏が引退、丸選手がFAで巨人へ移籍

鈴木 みなさんの中に(Bクラスに終わった)15年のときのようになるという不安があると思います。ここから大事になるのは「個」しかない。

-個というと

鈴木 弱いときに黒田さんと新井さんが引っ張ってくれて、みんなが勝つために必要なことを教えてもらった。2人が引退されて、そして丸さんもいなくなった…。自分たちがやるべきことを分かっていないと厳しくなると思うんです。やるべきことを忘れてしまい、個がバラバラになったらチームは戻ってしまうんじゃないかと。

-鈴木選手の立ち居振る舞いも大事になる

鈴木 やっぱり試合に出る主力組がしっかりしないといけない。僕はまだ若いかもしれないけれど、試合に出させてもらっている以上、責任がある。黒田さんと新井さんが残してくれたものを台無しにしてはいけない。

-3連覇でチームも成長

鈴木 個々がしっかりすれば大丈夫だと思うし、みんなやれると思います。自分もプレーで引っ張っていけたら。

-3、4番を組んだ丸の移籍について

鈴木 僕は4番になってほとんど丸さんとしかやってこなかったけど、理想に近い関係でした。ベンチだけでなく、ロッカーでもいろいろな話をさせていただきましたし、意見交換して引っ張ってもらっていました。僕よりも若い選手が3番に入るのであれば、僕が引っ張っていかないといけないと思いますし、先輩であってもコミュニケーションをとっていきたい。丸さんとやってきたいいものは継続していこうと思います。

-新元号の1年、背番号は1

鈴木 正直、そこはどうでもいいです(笑い)。背番号が変わったからといって自分が変わるわけじゃありませんから。試合に出る以上、責任はあります。若い選手も増えてきたので、自分の感情(表現)は変わってくると思いますが、あくまでいつも通りに。1番には前田さんの「孤高」のようなイメージがあるかもしれませんが、僕はスタイル的に全然違う。今までの自分じゃないようにやるのは違うと思う。1番を背負うから「ふざけたことをするな」と言われるんだったら、背番号1はいりません。今まで通りふざけさせてもらう。それがダメなら、今すぐ小園から51番を取り返します(笑い)。

-昨年は常に右足首にボルトが入った状態で違和感を感じていたと言っていたが、昨年11月にボルトを抜いた?

鈴木 違和感は一緒。あるのはある。でも、痛みの度合いが少ない。(右足首の)完治はしないので、そこに自分のスタイルを合わせていくしかない。今できることをやるだけです。

-新シーズンへ向けて

鈴木 「チームのために」というのは変わらない。ただ、同時にそれが野球の楽しさなんだと感じています。個を突き詰めるだけだとつまらないし、しんどい。ここまでこられたのも、そう考えてきたから。そういう考えが結果的に自分の成長につながる。今年4連覇するためには、よりみんなが「勝つためにどうすべきか」を考えてやらないといけないと思います。