日本ハム吉田輝星入寮「見方聞ければ」隣部屋は清宮

勇翔寮に入寮しポーズを取り撮影に応じる日本ハム・ドラフト1位吉田輝星(撮影・佐藤翔太)

出世部屋からスターへの階段を駆け上がる。日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(17=金足農)が6日、千葉・鎌ケ谷の「勇翔寮」に入寮した。今後拠点となる寮の部屋は、かつてダルビッシュ有(カブス)や大谷翔平(エンゼルス)らが使用していた部屋。将来チームの顔となり得るエース候補が、先輩たちの活躍にあやかる。

甲子園のスターからプロ野球界のスターへ、吉田輝のプロ人生が幕を開けた。テレビカメラ10台、約50人の報道陣に加え、その姿を一目見ようと駆け付けたファンは約150人。学生服姿にリュックを背負い、スーツケースを引きながら、無数のフラッシュを浴びての入寮となった。「プロ野球選手としての人生がやっと始まるなという思いです。楽しみという気持ちが一番強いです」と決意を新たにした。

スター街道を歩んでいく。与えられた寮の部屋は、現在メジャーリーグで活躍するダルビッシュや大谷も使用していた404号室。「すごいきれいにしたいなと思います」と話す一方で、「大谷さんもダルビッシュさんも入っていた部屋なので、自分もしっかりやれば出世できるというイメージはすごくあります」と成功への青写真を描く。

隣部屋の403号室には1学年上の清宮がいる。「打者から見た投手の見方を聞ければいいと思う」と先輩からの教えを請うつもりだ。正月の初詣には、秋田の自宅近くの神社へと足を運んだ。昨夏甲子園で活躍できたことへの感謝とともに「1軍でしっかり活躍したいというのとケガをしないようにと祈りました」と話した。

9日に新人合同自主トレーニングが始まる。「秋田は雪が降っていたんですけど、その中でもしっかり体はつくってきたんで、初日からしっかり動けるようにしていきたい」と準備は万全だ。ダルビッシュも大谷もこの場所から、メジャーの舞台へと巣立っていった。「満足するというのはないと思うので、どこまででも、しっかり早いうちに成長したい。ダルビッシュさんや大谷さんのようにしっかり活躍できればいいなと思います」。

出世部屋の価値をさらに引き上げてみせる。【山崎純一】

<各球団の出世部屋>

◆巨人「410」 ジャイアンツ寮の410号室。松井、坂本勇らが使った。松井が素振りを繰り返してすり切れた畳などが保存されている201号室も有名。

◆阪神「316」 虎風荘の316号室。井川、能見、藤浪らが使った。

◆楽天「2」「10」 則本、松井裕らの2号室と田中将大、藤平らの10号室。

◆広島「104」 ドラフト1位が使う104号室。過去には沢崎、黒田、小林幹、東出らが使用し、近年も前田健、野村、大瀬良らを輩出。

◆オリックス「406」 神戸市にあった青濤館ではイチローが5年間生活した406号室が出世部屋。17年に大阪市の舞洲に寮が移転した。

◆西武「13&14」 元13号室と14号室をぶち抜いた部屋が出世部屋と呼ばれており、清原、松井稼、松坂、涌井、菊池らが使用。

◆ロッテ「304」 浦和寮の304号室は今江、成瀬、唐川を輩出し、16年には平沢が入寮した。

◆DeNA「2」「17」 出世部屋と呼ばれるモノはないが、石田が使用し、現在は東が暮らす2号室や筒香が使った17号室が候補。

◆ソフトバンク「207」「104」 筑後寮は16年からと歴史が浅く上林のいた207号室や育成を1年で卒業した大竹の104号室などが今後の出世部屋候補。

◆中日 かつて名古屋市西区にあった寮には立浪や川上のいた部屋があったが、今の寮はドラフト1位を固定せずシャッフルして使用。

◆ヤクルト かつては古田が使用した部屋が出世部屋と言われた。1、2軍で部屋を引っ越していた時期もあり、現在は存在せず。