阪神ガルシアに開幕カードのヤクルト007警戒警報

初めてブルペンに入り投球する阪神ガルシア(撮影・前田充)

阪神に新加入したオネルキ・ガルシア投手(29=中日)が6日、沖縄・宜野座キャンプで初のブルペン投球を行い、矢野燿大監督(50)をうならせた。昨季中日で13勝を挙げたキューバの怪腕が健在ピッチを披露。指揮官は貯金量産に期待を高めた。3月29日からの開幕カード(京セラドーム大阪)で対戦するヤクルト007も、警戒警報を発令だ。

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190センチの長身から繰り出す角度ある真っすぐが、何度も低めに決まった。阪神が昨年苦戦した13勝左腕が今年は、味方のブルペンにいる。七分袖から早いテンポで43球。惜しげもなく全球種を披露した背番号77から笑みがこぼれた。

「今のところ順調。最初のブルペンで全球種を投げられたのはよかった。もちろんゲームが100%だとしたら、まだまだ50%ぐらい。焦らずにしっかり調整していきたい」

うなったのは矢野監督だ。「低く投げられるし、球も動く。ゴロを打たせるのがガルシアの投球。日本の打者には有効な投手」と絶賛。「配球も結構考えているよね。単純ではない。いっぱい勝って負けが少なくて、イニングをいっぱい投げてほしい」。メッセンジャーや西らと先発ローテの軸を期待しての獲得。2桁勝利はもちろん、貯金量産の期待値が高まった。

警戒心を強めたのはライバルの007だ。ヤクルト山口重幸スコアラー(52)は「実績があって、ドームを得意にしている。ボールが動くし、角度があるから怖いよね」と分析。昨季13勝中12勝をドーム球場でマークした“ミスタードーム”の健在ぶりにまゆをひそめた。ヤクルトの開幕カードは阪神との3連戦。しかも舞台は京セラドーム大阪とあって、「メッセ、ガルシアと並んで来られたら嫌だよね」と苦笑いだった。

昨季は屋外球場が苦手だったが、今季は甲子園のマウンドもメジャー仕様にリニューアル。粘土質の硬い土、「ブラックスティック」が導入され、今キャンプでも同じ土が使われている。ガルシアも硬いマウンドが好みで、グッドタイミングの移籍といえる。「(今日も)違和感がなかった。自然と投げられたので感触はよかったよ」。“内弁慶”も返上し、甲子園でも白星を重ねる意気込みだ。

黄色のモヒカンは中日時代から継続。「去年こんな髪形にして、しばらく幸運が続いたのでね」。文字通り、今年は身も心も“虎色”。昨季広島と巨人から3勝ずつ挙げたキューバの怪腕が、矢野阪神の進撃を引っ張る覚悟だ。【真柴健】

 

▼ガルシアは中日に在籍した昨季、ヤクルト戦で2勝1敗。防御率2・08は、巨人戦の1・80に次ぎ対セ球団では2番目だ。被打率2割7厘はリーグ戦最良。甲子園では0勝1敗7・20と苦戦したが、ドーム球場では12勝(6敗)防御率2・41と好投が続いた。

▼阪神は京セラドーム大阪が「大阪ドーム」として開場した97年以降、この球場でのヤクルト戦で、通算30勝10敗の勝率7割5分。現球場名に改めた06年7月以降に限ると、19勝4敗で勝率8割2分6厘と相性のよさを誇る。17年4月5日からは7連勝を継続中だ。