BC新潟中西、奪三振増で悲願のドラフト指名だ

積雪の中、自主トレに励む中西

BCリーグ新潟の中西啓太投手(26)が4月6日の開幕に向けてシーズンオフの自主トレを本格化させている。今季で在籍5年目。投手陣では最年長になった。昨季限りでの引退も考えていたが、悲願のプロ入りに向けて気持ちを切り替えた。独立リーグ日本一と今秋のドラフト指名を今季の目標に掲げている。

白一色の中、中西は丁寧に体を動かす。長岡市郊外の室内練習場は敷地の周囲を積雪に見舞われている。オフシーズンは立ち投げの投球練習とランニングで汗を流す毎日。「新潟の寒さにも慣れてきた。投げ込むのはまだ先」。3月上旬に予定されているキャンプを見据えて体を作っている。

今季は勝負の年だ。帝塚山大からBC新潟入りし5年目。投手陣最年長の右腕は「独立リーグの日本一になってドラフト指名を受ける」と明確な目標を掲げた。昨季から専念している中継ぎでの起用を「登板数が多いので、スカウトに見てもらえる機会が増える」と今季も希望している。

最速147キロの速球とスライダー、スプリット、カーブの制球力が武器。「今季は最速を150キロ台にしたい」。昨季は登板54回2/3で奪三振53。球速アップで変化球を生かし、奪三振数増加がテーマだ。目標防御率は1点台。「三振は1回平均2個は取りたい。マウンドに立ったら三振で締める」。完璧なつなぎをイメージする。

昨季はドラフト指名がなければ引退するつもりでいた。結果、指名はなし。シーズン後に覚悟を決めていた。そんな中、刺激になる存在に気がついた。今季2年目の右腕・長谷川凌汰投手(23)だ。最速153キロの速球がプロから注目されたが昨秋のドラフトは指名漏れ。日ごろからお互いのプレーを指摘しあいながら練習してきた。「凌汰はプロ入りの思いが強いし、意識が高い」。後輩へのライバル心に押されるように、現役続行にかじを切った。

オフシーズンは自主トレ以外に一般企業で働く。新人時代からコメリパワー長岡店に勤務。午前11時から午後9時までレジ担当、商品陳列、接客をこなす。商品情報を事前に覚え、どう並べればいいかを考える。客の問い合わせに対応するため、あらゆる予測をする。「打者への対策、準備などの野球に通じる部分がたくさんある」。生活のすべてが目標達成への必要項目。まったなしのシーズン、ぶれずに突き進む。【斎藤慎一郎】

◆中西啓太(なかにし・けいた)1992年(平4)4月23日生まれ、和歌山県出身。星林高から帝塚山大に進み、4年のときに阪神大学野球リーグで敢闘賞。15年に新潟に入団。昨季成績は2敗4セーブ、防御率4・45。185センチ、81キロ。右投げ右打ち。