中日1位根尾三振デビュー「経験したことない角度」

根尾昂は空振り三振に倒れる(撮影・渦原淳)

<教育リーグ:阪神6-3中日>◇9日◇鳴尾浜

中日ドラフト1位の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が豪快な空振り三振で実戦デビューを果たした。

教育リーグの阪神-中日戦(鳴尾浜)に6番DHで出場。初打席は2回表、2死走者なしで回ってきた。相手は開幕投手が決まっているメッセンジャー。根尾の名前がコールされると満員のスタンドからこの日、一番の歓声と拍手が沸き起こった。

お忍びで父浩さん、母実喜子さんもスタンド観戦した注目の一戦。国内95勝の虎のエースにひるまず、堂々と対峙(たいじ)した。そして「しっかり振っていきたい」との予告通り、カウント2-2から高めの142キロを強振。バットは空を切ったが、スラッガーの片りんを存分に見せた一振りだった。0-4で迎えた5回の第2打席は無死二塁。「ビハインドだったので何とか後ろにつなぎたいと」。カウント3-1からメッセンジャーのボール球をしっかり見極め、四球を選んでプロ初出塁した。

「いままで経験したことのない角度のボールが来た」。リーグを代表する外国人右腕が、198センチの長身から投げ込んだ直球、変化球に目を丸くした。「これからも他の投手と対戦する。アジャストできるようにしたい」と、次戦への闘志をたぎらせた。

小笠原2軍監督は「明日(10日)は守備にもつかせる。(メッセと対戦したことは)調整段階とはいえ、雰囲気を味わえたのは彼の野球人生にプラスになった」とうなずいた。10日は遊撃で出場予定で、阪神の先発予定は昨季まで中日に在籍したガルシアだ。初安打でNEOフィーバーをさらに加速させるか。注目の対決が続く。【伊東大介】

▽中日与田監督(根尾について)「まずこうやって試合に出てね、球界トップクラスのピッチャーと対戦できるっていうのが本人にとっていいことだと思いますし。その中で自分の実力を知ったり、いろんな発見があると思うので、どんどん試合をこなしてほしいと思います」