日本ハム田中賢介ラストダンスの思い/インタビュー

田中賢介の殿堂プレートはこんな感じ?

今日29日、いよいよプロ野球が開幕する。平成で始まり新たな元号で終わる今季、北海道移転後の日本ハムを支え、数々の名場面を生んできた田中賢介内野手(37)が引退する。北海道でレギュラーをつかみ、主将を務め、結婚をして家族ができた背番号3が、プロ野球選手として目指してきたものとは。“ラストダンス”に懸ける思いを聞いた。【取材・構成=中島宙恵】

  ◇   ◇   ◇  

-日米通算20年目。最後のシーズンを迎えるにあたって、心境の変化は

田中賢 「最後」だと確定していますからね。これまでは、いつ辞めるか分からない、あまり考えないようにしてましたけど…。寂しさ半分、楽しみ半分。早く開幕しないかなっていう気持ちです。

-開幕前の験担ぎは

田中賢 僕はあまりしないですけど、妻がいろいろとやってくれます。きっと、タイ(のお頭)が朝食に出てくるんじゃないかな(笑い)。

-2月の春季キャンプで取り組んだこと

田中賢 いつも何か新しいことを取り入れて試していたけど、今年に限っては、これまで自分が積み上げてきたもので勝負して行きたいなと思っています。総決算の意味で、悔いなく自分の力を出し切りたい。

-決して大きくはない体で、長らくプロで活躍してきた。目指してきた選手像とは

田中賢 僕はどっちかというと、表立って活躍する選手ではありません。いろいろなところに気を配りながらチームを勝ちに導く選手。あの選手がいるとなんか勝つんだよな、という選手が理想。休まない、何があっても試合に出続けるということは意識してきた。トレーニングを続けて、常にグラウンドに立っていることが大切だと。

-高卒でプロ入りして、年代ごとに目指していくものに変化はあった

田中賢 それは、ありましたね。99年に入団して、試合に出始めたのが06年。その6年間にもたくさんあったし、06年にレギュラーを取って大きく変化したし…。でも、試合に出続ける選手でありたいという思いは、入団したときから、ずっと変わりません。プロ1年目、常勝チームはどういう感じなんだろうと周りを見た時、強いチームにはそういう選手が必ずいました。当時だったらダイエー(現ソフトバンク)が強かったけど、本当にレギュラーが変わらなかった。僕は、たくさん本塁打を打ったりは出来ないけど、それ以外でチームの勝利に貢献できたらいいなと。

-今年のキャンプも、フルイニング出続けるつもりで調整してきた

田中賢 そう…つなげたくなりますよね(笑い)。もちろん、そのつもりで準備はしてきたけど、現実的ではないじゃないですか。

-体力の衰えも感じる

田中賢 びっくりするほどの自覚はないけど、疲れは取れにくくなった。反応が徐々に悪くなる。そのかわり技術が身に付いているので、それでカバーしながらバランスを取っていく感じです。

-福岡の出身。今では「北海道日本ハム」生え抜きの選手となった。

田中賢 チームが移転したての頃は、全然、試合に出られなかったし、普通に町を歩いていても誰も気付いてくれない。それを考えると、今はたくさんの人に応援してもらって辞められるというのは、幸せなことだと思います。

-19年への意気込みを

田中賢 9人レギュラーが固まって、僕は出るところがなくて…(笑い)。それでも優勝したら、それでいい。どんな形であれ、そのための力添えができれば、チームにとっても、応援してくれるファンにとっても一番の恩返しになると思う。全力で頑張ります。