西、阪神1勝お預けも好投!特別ミーティングに奮起

阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト2死、村上を空振り三振に仕留め、雄たけびをあげガッツポーズする西(撮影・前田充)

<阪神1-2ヤクルト>◇31日◇京セラドーム大阪

期待のFA右腕が上々の虎デビューだ! オリックスからFA移籍した阪神西勇輝投手(28)がヤクルト戦で移籍後初登板初先発し、7回4安打2失点と好投した。初回に2失点したが、尻上がりに調子を上げて無四球、7奪三振。虎初勝利こそお預けとなったが、次回登板で新天地のファンに白星を届ける。

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西のガッツポーズが黄色く染まったスタンドを熱くした。1点を追う7回。先頭雄平、西浦を2者連続の二ゴロに仕留めると、続く村上をフルカウントの末、外角直球で空振り三振。マウンドの右腕は拳を握りしめて雄たけびを上げた。その裏の打席で交代した西は「全体的に自分の投球をすることができ、ゲームを作ることはできた」。球数は92球。7イニング中、5度の3者凡退と期待通りの内容だ。

ハートは熱くても頭は冷静だった。初回。2死一塁からバレンティン、雄平に2者連続の適時二塁打を浴び、いきなり2失点。「最少失点で切り抜けることが出来ていれば違った試合展開になった」と反省したが、2回以降は凡打の山を築いた。6回には左翼ポール上空を通過したバレンティンの大飛球が、本塁打の判定に。その後のリプレー検証でファウルに変更された。仕切り直しの打席は外角スライダーで空振り三振。心は乱れなかった。

秘密の「西ミーティング」が行われていた。西がドームから帰った前日3月30日の試合後。矢野監督がナインを集めた。「明日は西が投げる。タイガースの初めての登板で緊張や力みもあるかもしれない。援護してやろうや」。西1人だけのために開かれた特別なミーティングだった。声をからしもり立てるナイン。この日、その事実を知った西は「本当にいいチームだなと思った」と闘志を燃やした。

結果的に援護なく虎1勝はお預けとなったが、矢野監督は「西らしさは十分に出した投球はしてくれていた。第1戦もメッセンジャーに勝ちをつけられなかったし、今日も勝てる投球だったと思う」と、負け投手とは思えないコメント。次回登板は7日広島戦(マツダ)が予想される。常に前を向く西は「1年間を通して変わらない。次も自分らしいピッチングをしたい」。変わらぬ姿勢で虎1勝を目指す。【桝井聡】