正妻梅野欠き借金生活…異常事態に阪神課題また貧打

巨人対阪神 8回表阪神2死一、三塁、好機に三振した大山(撮影・加藤哉)

<巨人6-3阪神>◇3日◇東京ドーム

阪神が平成最後の東京ドームでの「伝統の一戦」に連敗した。

試合前に梅野隆太郎捕手(27)が2日の巨人戦で左足の指を負傷し、骨折の疑いがあると発表された。チームドクターの診察を受けるため緊急帰阪。正妻を欠いたチームは先発青柳が3回に丸に3ラン、岡本にソロを浴びるなど2夜連続で主導権を握られ、テコ入れした打線も反撃が遅れた。まだ開幕5試合とはいえ、3連敗で借金1と嫌な空気に包まれた。

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プレーボール2時間半前の異変だった。阪神のウオーミングアップ。正捕手梅野の姿がない。岡崎も出場選手登録を抹消され、球場で練習する捕手は坂本1人だけ。異様な光景だった。午後4時半に球団広報が事情を説明する。「左足の指を負傷して骨折の疑いがあるということで…」。わずか開幕4戦で司令塔が消えた。衝撃的な発表で、矢野阪神が早々から試練にさらされた。

暗転したのは前日2日の巨人戦だ。梅野は2回、三塁内野安打で一塁に駆け込んだ際、一塁手岡本と交錯して左足の指を強打して転倒。試合終了までプレーを続けた。この日の午前中に都内の病院で受診。プレーを見合わせ、ベンチ入りメンバーから外れて緊急帰阪した。広報は「判断は明日以降となります」と説明。今日4日にチームドクターの診察を受け、方向性を決める。負傷箇所が親指ではないため、今後もプレーできるか模索するという。チームに欠かせない扇の要が離脱のピンチに陥った。

梅野は昨季、自己最多の132試合に出場し、初めてゴールデングラブ賞に輝くなど、正捕手としての地歩を固めつつあった。今季も全4試合に先発。投手陣を巧みにリードするなど、存在感を示していたが、想定外のアクシデントに見舞われた。チームは急きょ長坂を登録。試合前練習に間に合わず、ドタバタ感がにじみ出た。梅野不在の尾を引きずるように、チームは攻守ともに精彩を欠いた。

この日は開幕スタメンの木浪を外して1番に北條を抜てきした。だが、新オーダーは不発。昨季、白星なしの2敗、防御率0・61と苦戦した天敵メルセデスから8回の代打攻勢で3点を奪ったが時すでに遅し。指揮官も「真っ先に出てる人は、その前に、もう少し何とかしないとというのが一番」と嘆く。チーム打率も1割8分4厘に沈み、貧打解消が課題になっている。

開幕当初から「守り勝っていく」と話す指揮官にとって梅野が離脱すれば計り知れないダメージになる。梅野の今後については「残れる可能性を探しながら、どうかやね」と言う。開幕連勝後は3連敗で、今季初めて借金生活に入った。序盤戦で、最初の踏ん張りどころを迎えた。【酒井俊作】