目の色違った!阪神近本が大逆転劇呼ぶ安打&盗塁

7回裏阪神1死一塁、近本光司は二塁盗塁するも送球がそれ三塁へ向かう(撮影・奥田泰也)

<阪神12-8DeNA>◇9日◇甲子園

待ちに待った甲子園での初戦。ストレスをためていた虎党が、まさかの形で喜びを爆発させた。最大5点差を大逆転。8回にDeNAの勝利の方程式を崩し、相手のミスも重なって一挙6点を奪った。

火をつけたのは途中出場のドラフト1位、近本光司外野手だ。「僕にできることは塁に出ることだけ。そのあとの皆さんがよくつないで『チームで勝った』という感じです」。7回の先頭で代打で登場すると左のエスコバーから中前打。盗塁と敵失で三進して、3得点への足場を作った。糸原、糸井、大山としぶとくつないで、福留の右前適時打が飛び出した。これで2点差だ。

8回は先頭梅野のソロで1点差と詰めた。次打者、近本はパットンから四球を選んだ。「点差は関係ない。自分のやることは変わらない」。一塁塁上から投手に重圧をかけて、打者をアシスト。大山のハーフライナーを二塁柴田が落球(安打)する幸運をはさみ、2死満塁から右翼ソトの走者一掃の落球という、信じられない逆転劇を呼び込んだ。

即戦力ドラ1は先発を外されて2試合目。甲子園に来て反骨心が目立ってきたと平野打撃コーチが証言する。「朝から目の色が違った。もうお客さんじゃない。ようやくプロらしくなってきたというかね」と目を細めた。ホームに帰ってきた虎に強烈なフォローの風が吹いた。【柏原誠】