「勇者」の異名ロッテ中村10針けがも連続出場継続

左目下を切りながらも「BRAVE MAN」のニックネームユニホームを着て打席に立つ中村奨吾の(撮影・黒川智章)

<ロッテ1-2日本ハム>◇21日◇ZOZOマリン

アクシデントを乗り越えた。ロッテ中村奨吾内野手(26)は21日、日本ハム5回戦前の練習中に、清水将海バッテリーコーチ(44)と衝突。習志野市の病院で顔面挫傷と診断され、左目下を10針縫った。それでも代打で出場。

17年9月1日から続くフルイニング出場こそ188試合で止まったが、連続試合出場は継続した。清水コーチは軽い脳振とうと診断された。

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一番の大歓声に迎えられた。中村奨が「BRAVE MAN」を背負い8回、代打で打席に入った。この日は「マリンフェスタ」実施日で背中にニックネームの入ったユニホームを着用。昨季球団新記録の22死球を受けながらもフルイニング出場したことに由来するニックネームだったが、この日も「勇者」だった。

試合前ノックで捕手への飛球を上げていた清水コーチの打球が、中村奨の方向へ。中村奨を守ろうと走ってきた同コーチと、捕球しようとして衝突した。すぐに病院へ搬送され、左目下を10針縫った。試合は途中出場で三振に倒れたが、3万199人の観客を沸かせた。「(けがは)大丈夫です。スタートから行きたかったですけど、それはちょっと厳しかったので、途中から出してもらえるように準備していました」。大けがにもくじけない姿は、敗戦の中でも光った。

188試合続いたフルイニング出場は途絶えた。「自分の不注意だったので気を引き締めろということだと思う。また一から頑張りたい」と中村奨。ベンチを外れたが、球場に戻った清水コーチは「奨吾に申し訳ない」と肩を落とした。気遣ってくれたコーチの分まで、「勇者」は新たな数字を積み重ねる。【久永壮真】